暮らしの中のファブリック使いを提案―Les idees de h いしだはるこさん

2009年12月09日09時01分

「作り上げる喜びをたくさんの方に感じてほしい」

―2007年からレッスンを始められたということは、レクチャーした布小物の種類もかなり増えているのでは？

はい。単純計算でも60アイテムはありますね。毎日の暮らしの中で手にしたり目にしたりして、ほしいと思ったものを作っていますので、そのアイテムが家じゅうに！

―ところで、なぜショップに委託販売されたりしないで、レッスンというスタイルにされているのですか？

たぶん、教えることが好きなんだと思います。あと、作り上げる喜びをたくさんの方に感じてほしいっていう気持ちもあるんです。自分で作ったものって、少々形がいびつでも愛着がわき、大切にしたくなりませんか？ そういう気持ちを大切にしてほしいなって……。

あと、私が昔「習いに行きたいな」って思った時、ミシンの使い方や型紙の作り方、裁縫の技術などは教えていただいて本当に役に立ちました。ただ、アイテムそのものは「自分が作りたいな」と思うものとはちょっと違っていたんですね。そんな時に「じゃあ、友達同士、集まって作ろうよ！」ってなって。

―それがきっかけで教室を？

はい。それがきっかけとなり、最初は自宅レッスンを始め、その半年後に近所の「雑貨＆カフェkica」さんでカフェレッスンを１年半開催しました。

―生徒さんは、長く続けていらっしゃる方が多いんですか？

そうですね。みなさん、徐々にレベルアップされていらっしゃいます。

（左）少し秋めいたテーブルコーディネート。 （右）毎回、料理に合わせてテーブルクロスやランチョンなどをセレクトしている。

―オリジナルアイテムを増やしていくのは大変ではないですか？

はい。でもアイデアのヒントは至る所に！ 街を歩いていて、通りすがりの人が持っている布製ではない小物を見つけて「かわいいな」って思ったら、それを布でアレンジしてみたり。行き詰まったときは、好きなショップやカフェに出かけて気分転換したり、しばらくのんびりしたり……。

―街の中のさりげないワンシーンからヒントをもらうこともあるんですね。ほかに影響を受けているものはありますか？

洋書、洋雑誌からもいろいろインスパイアされています。例えば「マリー・クレール・イデーズ」とか。色づかいなどは、日本とは全然違うので楽しいですよ！

―料理とのコーディネートも楽しそうですね。

食べることも、暮らしの中でもっとも身近なこと。家で簡単にできる料理とファブリックをスタイリングして、おもてなし風の提案をしています。お客様をもてなすときだけでなく、普段のごはんも、ちょっとしたことで華やかになり、ごちそうになりますよね！ 気分も楽しくなって、おいしい食事の時間が過ごせるようになるでしょう。凝ったものでなくても全然いいので、料理と食器とランチョンやコースターのコーディネートを、自分の洋服を選ぶ感覚で選んで楽しんでほしいですね。

―今後の活動予定を教えていただけますか？

今年の秋には、２年ぶりにアトリエを公開して、予約制のランチ会やお茶会を開催したいと思っています。レッスン以外のお客様にもお越しいただけるとうれしいですね。

（取材／いなだみほ）