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色と素材を自由に組み合わせる「さをり織り」の魅力―もりあきこさん

2008年11月01日05時01分
ベースとなる縦糸に、好きな横糸を織り込んでいく「さをり織り」。ウール、シルク、コットン、レーヨン……さまざまな素材と色合いの糸が少しずつ個性を主張して、その織り手にしか作れないオンリーワンの一枚が生まれます。手織り作家のもりあきこさんは、学生時代にさをり織りと出合って以来、20年以上も織り続けているとか。もりさん、さをり織りの魅力ってなんですか?

もりあきこさん/Akiko Mori

手織り作家。1965年、神奈川生まれ。女子美術大学造形学部洋画科卒業。1987年~1992年、「手織適塾SAORI」にてさをり織りを学ぶ。1991年~2003年、年2回コレクションを発表。東京、大阪、パリなどで手織りストールを販売。2003年~、「手織適塾SAORI」で手織りを教えるとともに、東京都内で作品展を開いている。2009年~、益子「スターネットARK」にて作品の販売をスタート。
「さをり織り」ホームページ:http://www.saori.co.jp/
ARK(STARNET):http://www.starnet-bkds.com/ Tel.0285-72-9661

絵を描くように自由な発想で織る


さをり織りの作品。革や木のボタン、レースなど
自然素材との相性がいい。
―まずは、さをり織りについて教えてください。

さをり織りは「キズもデザイン」ととらえる新しい感覚の現代手織りです。40年前に大阪の主婦だった城みさをさんが始めたのですが、絵を描くように自由に織るというのが特徴ですね。カリキュラムがないので、その時に作りたいものを作るという感じです。技術は難しくないので誰にでも楽しめるし、人それぞれの感性が引き出される織りだと思います。

―もりさんがさをり織りを知ったきっかけは?

実家の隣りのおばさんがやっていて、マフラーを織ってくれたんです。柔らかくて風合いがいいのと、そのマフラーをしているとよく「どこで買ったの?」と訊かれて。マフラー一枚なのに個性的なんですね。自分でも織ってみたいなあと思って、社会人になって初めてもらったボーナスで織り機を買いました。

―ボーナスで……織り機っていくらぐらいするんですか?

10万円ぐらいするんです。新卒の夏のボーナスでは足りず(笑)、冬まで待ちました。

―織り機を買ったらすぐに織れるものなんですか?

買った時に6m分の縦糸が張られていたので、横糸を買ってきて、お正月休みに自己流でマフラーを織りました。でも、二枚目を作ろうとしたけれど、縦糸の入れ方がわからないんですよ。隣りのおばさんから教室に行くことをすすめられて、「手織適塾SAORI」に4年ぐらい通いました。

―技術をマスターするにはどれぐらい時間がかかるのですか?

技術自体は3カ月ぐらいで身に付きます。でも、さをり織りは技術がシンプルな分、自己表現できる幅がとても広いんですね。一人で考えていると壁に当たったり、飽きたりするので、他の人の作品を見ることも大切だと思います。

―他の人の作品にインスパイアされるということですか?

そうですね。他の生徒さんがコートを作っていたら、コートもいいなと思ったり。こんな色使いもあるのかと気付いたり。それに、「手織適塾SAORI」にはいろいろな年齢の方がいて、教室以外でも一緒に作品展を見に行ったり、ともかくコミュニティが楽しかったですね。障害者の方も織っているのですが、こちらが面倒を見るのではなく、彼らに面倒を見てもらったり、織りを介したコミュニケーションにも発見がありました。


アトリエには20年来の愛用品である織り機が。壁面はさまざまな糸がぎっしり並んでいて壮観。

―どんなアイテムを織っているのですか?

私はマフラーから始めて、ベストやスカート、コートなど、ファッションアイテムが多いですね。自分が身に着けたいものが、そのまま作品になっています。インテリアに興味がある人は、カーテンやタペストリーも織りますよ。大きなものでもマフラーの延長で、洗濯しやすい素材に変えたりするだけなので。

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