ぬくもりを感じる、「mokono」の木の持ち手バッグ
2008年11月03日04時01分mokono 竹岡たまみさん/Tamami Takeoka
デザイン系専門学校卒業後、広告会社に勤務。その後通販会社の商品企画に携わった経験から、企画、デザインなどを得意とする。2008年3月にオープンしたアトリエ兼ショップ「mokono」で自身の作品を販売するほか、もの作りの教室やイベントも企画。ホームページ:http://www.mokono.info/
作家さんの真摯な姿勢をきちんと伝えていかないといけない
ちょっぴり屋根裏っぽい雰囲気もある「mokono」店内。
ものづくりが大好きで、家でもよく作っていたんです。いろんなものを作って、イベントに参加したりとか、委託で雑貨屋さんに置いていただいたりとか……。そんなスタイルで続けていたのですが、ある日主人に「趣味なの? 仕事なの? 仕事にするのであれば協力するから、きちんと考えた方がいいよ」って言われて。そんな言葉に後押しされて、自分のアトリエ兼ショップを持つことを決めたんです。
―お店をオープンしたのはいつですか?
2008年3月です。古い雑誌で、かごを作るおじさんが掲載されていたのを見たことがあるんですが、おじさんはかごの材料や出来上がった作品に囲まれながら、かごを作っていて、ときどきお客さんが来て、かご作りをちらりと見ながら、かごを買って帰っていく、というふうなスタイル。そのおじさんのアトリエにすごく惹かれて……。私もそんなアトリエがいいなと思って、場所選びをしました。
―電車の通る音が聞こえる、のどかな場所ですね。
日当たりもいいし、路地裏っぽいシチュエーションも気に入っています。
―竹岡さんはここで制作活動をしているのですか?
はい! と言いたいところなのですが……。最初の1年間は、自分の作品作りはあまりできませんでした。オープン当初は、お店を運営するために雑貨を仕入れたり、在庫管理をしたり、そういうことに追われる日々でした。だから、アトリエと言いつつも私が作ったものはほとんどなくて。最近ようやく自分の作品作りもできるようになりました。
(左)リネンを中心にした布も揃っている。 (右)ここが竹岡さんのアトリエコーナー。 |
―お店にはほかの作家さんの作品もありますね。
はい。お店を始めるときに、自分の作品だけでなく、いろんな作家さんのものも扱うことができればいいな、と思っていたんですね。それで前々から、参加したイベントで出会った方とか、ホームページなどを拝見して気になった方にお声がけさせていただいて、扱うようになりました。現在12~13名の作家さんの作品を扱っていますが、みなさん、オリジナリティにあふれています。ホームページやブログがある作家さんは、その方の作品だけでなく文章なども拝見しています。文章を読むと、その方々がどんなふうにこだわっているのかということや、ライフスタイル使っている言葉から作品への思いが伝わってきます。
私は小さい頃からつくることが大好きで、母や祖母にミシンや編み物をよく教えてもらいました。そのおかげで、浅く広くは色んなものをつくって楽しんでいました。ところが、お店で扱っている作家さんたちは、ひとつのものを作り続けている人が多いんです。ずっとガラスのアクセサリーを作っていたり、革小物を作っていたり、テイストに関わらずみなさんひとつのものと向き合っていらっしゃいます。続けることによって良し悪しがわかって、極めていけるんでしょうね。作家さんによっては取扱説明書をきっちりと付けて販売している方もいらっしゃいます。そういう真摯な姿勢を知って、私は店のオーナーとして、きちんと伝えていかないといけないなって思いました。
作家さんの中には北海道の方もいらっしゃるんです。遠方の方は特にお店の現場が見えないから、「こんなふうに売れていきましたよ」っていうお話はさせていただくようにしています。
―お店を運営されて、作り手側の気持ちも、オーナーとしての思いも、両面から見ることができるようになったんですね。
そうですね。これまで見えていなかったことが分かるようになりました。まだお店を始めて2年足らずですが、ようやく自分の方向性も見えてきたように思います。
(左)チロリアンテープは、ハンドメイド小物のアクセントに使いたいかわいらしさ。 (右)編み物のシーズンに合わせて、毛糸も取り扱っている。 |