yuroさんの、センスあふれるコラージュアイテム

2009年12月01日21時01分

コラージュのポイントは「空間を作ること」

―道具はどんなものを使っているのですか？

貼るのは基本的にボンドです。のりははがれないか、心配なんですよね。小さい素材をきっちりと付けたいときは強力のり、大きい面をきれいに塗りたいときは「シワなし」というのりを使うことも。それからはがれてくるのが嫌なので、筆でニスを塗ります。塗ると質感が代わるので、ニスは大好きですね（笑）。

―サイコロはどのように作られているのですか？

工作用の線が入った、かなり強度のある厚紙にサイコロの展開図を描いて、ボンドで留めています。紙は何枚も重ねて、最後にニスを塗って、はがれないようにコーティングするんです。「見た目より固くて重いですね」ということは、毎回言われますね。貼っているのは一枚だけだと思われるのですが、一番下の紙はほとんど見えないくらい重ねているので、透けていたり、どこか一部分が見えたりするかもしれません。

―ワークショップもされていますよね。

技術を教えて、同じようにきれいに作りましょうというものではなく、きっかけ作りになればいいかなと思っています。好きな材料を好きなように作っていいと言われたら楽しいので、一回作ってみて楽しんで、また家で作ってもらえたらいいなと。材料は全部私の溜め込んでいるものを使ってもらっています。何をどう貼ればいいのか全く分からない人にだけ、ちょっとアドバイスをしたりしますね。以前、旅の記憶を積み木にして飾るというワークショップをしたのですが、新婚旅行の写真やお土産をカラーコピーして作っている人がいて素敵でした。

―コラージュをする際にポイントにしていることはありますか？

とにかく紙を貼るのですが、全部貼ってしまうとうるさい感じになってしまうので、空間を作ることにポイントを置いています。ある程度の空間を作っておくと、逆に貼っていない方に目がいって、かわいく見えたりすると思うんです。コラージュって、貼りたくなって際限なく貼れてしまうのですが、あえて一面だけは一つしか貼らない、色を少なくすることなどを心がけています。

―色合いで気をつけていることは？

水色と黄色とピンクが好きなので絶対入れてしまうのですが、これはピンクをメインにする、というようなことはあります。またサイコロに関しては、一個ぽつんとあるより重ねて飾った方がかわいいので、全体的にも色のトーンを合わせておかないとまとまりがなくなってしまいます。だからどれとどれを組み合わせても、飾ったときに収まりそうな色味にしておくということは気をつけています。

―ものづくり以外では、どんなことに興味がありますか？

子どもの頃から美術館や映画を観に行くことが好きで、すごくよく行きます。特に画家の佐野繁次郎さんは、個展を見たときに衝撃を受けて、展示があるたびに見に行っています。美術館で購入した小冊子は、いつも作る前に見て「赤を入れたのも作りたい」、「今回はこれくらい派手に行こうかな」と参考にしたりしています。

―映画もお好きなんですね。yuroさんの名前の由来はもしかして……。

そう、フランスのジャック・タチ監督の映画に出てくる主人公のおじさんの名前から付けたんです。60年代のフランス映画は色の配色が好きですね。いつも映画を観ている瞬間や美術館や雑誌を見ているときに、アイデアが浮かびます。逆に作らなくちゃいけないけどアイデアが浮かばないというときは、映画を借りてくることもあります。

―最後に、今後作りたいものはありますか？

写真を撮ることと文章を書くことが好きでブログを続けていて、それを紙にしたいと思って、２年前にフリーペーパーを作ったんです。まずはその第２号を作って、最終的には表紙に自分でコラージュをして、リトルプレスを作りたいです。それからブローチをヘアゴムにしたりということも考えています。女性はアクセサリーをいくつ持っていても欲しいと思うので、どんどん作っていきたいですね。

（取材／赤木真弓)