女の子が夢見る「楽しい」+「カワイイ」を姉妹で形に― ブルーブランシェ

2009年12月03日11時01分

「おばあちゃんになっても、かわいいものが好きでいたい」

―この、コーヒーのお人形たちもかわいいですね！

この子たちは一緒にパリへ連れていって、サンルイ島にあるお店のショーウインドウに飾ってもらったことがあるんですよ。パリで、ふつうに暮らしている人たちに私たちの作品を見てもらいたい！と思って、お願いしに行きました。クリスマス前の忙しい時期だったので断られることも多かったのですが、パン屋さんとチーズ屋さんが話を聞いてくれて、1週間飾ってもらうことができました。小さな子供たちが見てくれたりして、うれしかったですね。

京都のお茶を持ってお礼を言いに行ったら、チーズ屋さんからはアカシアの天然はちみつを、パン屋さんからはおいしいマロングラッセをいただいたりして、その優しさあたたかさにじーんときました。このときのことは、京都の雑貨店「alphabet」と共著でつくった『2［deux］ semaines』という本にも載せています。

―今後、何か企画されていることはありますか？

夏頃に「トランクツアー」という、全国を巡回する作品展ができたらいいなと考えています。かわいいトランクにB.Bの世界をギュッと詰め込んだような……。ギャラリーなどのスペースをお借りして作品展をするのは準備にかなりの時間がかかってしまうのですが、トランクひとつならたとえばカフェとか本屋さんの一角をお借りしながら、小さな空間ごと、身軽に旅をすることができますよね。私たちもトランクと一緒に大好きな旅ができたら、と思っています（笑）。

もし、ここをご覧のショップオーナーさんで「うちでやってもいいよ」という方がいらっしゃったら、ご連絡いただけるとうれしいです。

それから、今までの集大成として、いつか故郷の長野でプチホテルができたらと夢見ています。衣食住にまつわるすべてをB.Bでプロデュースできるのは、プチホテルしかないのかな、と。かわいいインテリア、おいしいごはん、そこで手づくり教室もやったり、のんびり過ごしてもらえたらいいですね。一日一組とか二組くらいのゲストをゆったりもてなすような、特別何があるというわけではないけれど居心地がいい、そんな空間をつくりたいです。実はそのために、老舗の喫茶室や、定食のおいしいカフェでアルバイトをしたり、少しずつできることからはじめているんですよ。

（左）似ているようで似ていない、似ていないようで似ている!? 仲のいいおふたり。 （右）パリから持ち帰った映画館のパンフレットなど、アトリエには旅のスーベニールがいっぱい。

―おふたりならきっと叶うような気がします。最後にズバリ、B.Bの人生のテーマは？

「生涯、かわいいもの探し！」かな？（笑）

今は明るいとはいえない時代だけれど、私たちのコンセプトは「楽しい」+「カワイイ」をカタチにすること。むしろ、そんな時代だからこそ、いくつになっても、かわいくて、みんなが幸せな気持ちになれるものを探し続け、つくり続けていきたいですね。


（取材／野崎泉）