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美しい日本の手仕事「こぎん刺し」をもっと身近に―SMILAUGH

2009年12月03日18時01分

「まずは生活の中にちょっとでも取り入れてもらえたら」


制作にかなり時間がかかったという、連続したモチーフを刺したがま口。
―なるほど、組み合わせのパターンによって、何種類でも作れるのですね。

パターンによっては目の数が必要なので、小さくなればなるほど刺すのが難しくなりますね。パターンは一つなら楽に刺せるのですが、何個も連なると結構大変です。図案にちょうどいいサイズの布を選ぶことが大切ですね。荒い布を使うときは、糸の太さを変えていかないと、隙間だらけになってしまったり。アイテムによって布、針、糸をすべて変えなくてはいけないんです。

―下書きはするのですか?

総刺しの場合は、やはり図案をおこしてから刺し始めるんですが、モドコとラインの組み合わせの作品を作る際には、私の場合はあまりしないです。ある程度のイメージをしたら、その後は刺しながら空間をどうするのか考えていくので、あまり図案を見つめながら作ることはないです。絵を描くことは苦手ですが、カウントステッチをしながら絵を描いているイメージで刺していく感じですね。

―こぎん刺しには、刺し子と同様に、下書きをしてきっちり刺すというイメージがありました。

それだと多分、やりたくなくなってしまうと思うんです。柄はちゃんと数えないとできないのですが、ラインを入れたりするのはまず刺してみて、感じを見て足らないなと思ったら刺し足していくという感じですね。


(左)青森で購入したこぎん刺しのノートとお気に入りの本。ノートは、もったいなくて使えないそう。
(右)技法や図案の参考にしている、こぎん刺しの本。

――では、作品はすべて一点ものなんですか?

そうなんです。もう1回同じものを作ってと言われたら、ちょっと作れないかもしれないですね。何センチくらいのところに刺す、くらいの大ざっぱなことしか書いてないんですけど、最近はちゃんとメモをするようにしています。

―まろさんの作品は裏生地が花柄になっていたり、今のものと伝統をミックスされている感じがします。

伝統を身近に持って欲しいのですが、伝統の部分だけだとどこかおばあちゃんっぽいところもあるので、気が引けてしまうのかなと思って。だから、内側は華やかな感じにしようとはしています。私自身、こぎん刺しを最初に見たときにすごく衝撃を受けたのですが、いざ手に入れようとすると金額がちょっと高かったりするんですよね。だから、みなさんにはできるだけ金額を下げて提供して、まずは生活の中にちょっとでも取り入れてもらえたらなと思っています。


バッグとポーチも定番。
―スマイラフというのは、素敵な名前ですね。

Smaileとlaugh、笑うを2つ足して作った造語なんです。「笑う門には福来たる」じゃないですけど、スマイラフの作品を通じて、笑顔のお手伝いをできるような作品づくりをしたいなと思って付けました。

―ものづくり以外で興味があることは?

道具や色が好きで、文房具屋さんめぐりにはよく行きます。。それからお寺や神社など、和の雰囲気が好きなので、鎌倉には月いちで行っています。青森も好きなものが多いので、また行きたいですね。でもやっぱり、空いている時間があれば刺していることが多いです。頭の片隅にはいつもこぎん刺しがあって、洋服屋さんに行っても目の粗い服があると、これをほどいてこぎんが刺せるんじゃないかとか、ポロシャツを見ても目が数えられるから刺せるかな、とかつい考えてしまいます。

―本当にこぎんに夢中という感じですね! では、今後作りたいものはありますか?

やっぱり大物ですね。すごく大きな面積を刺してみたいなというのはあります。気が遠くなるかもしれませんが(笑)、びっしり刺してみたいです。メッセンジャーバッグみたいなものを作ってみたいのですが、刺してから仕立てるので、仕立てるときに緊張しそうですね。それから、もっと古典的なこぎんをやってみたいです。着物を着て見に来てくださる方もいるので、古典的な帯留めとか和小物も面白いかなと思っています。

(取材/赤木真弓)

【お知らせ】

こぎん刺しワークショップ

初めてこぎん刺しをする方を対象にしたワークショップ。こぎん刺しをストールピンかチャームに仕立てます。こぎん刺しの生地や糸も販売予定。

日時:3月28日(日)13:00~15:30
場所:アトリエ もみの木(東京都新宿区代々木2-39-1)
http://momino.exblog.jp/
講習費:3000円(材料費込、お茶菓子+プチおみやげ付き)
定員:6名
持ち物:糸切りハサミ、作品や材料などを持ち帰る袋
申込方法:お名前、ご住所、お電話番号(当日連絡が取れるもの)、メールアドレス、チャームorストールピンのご希望(当日変更可)を以下のアドレスにメールください。
maroming@yahoo.co.jp

※キャンセルされた場合 材料費などの経費が必要な場合があります。
当日の無断キャンセルの場合は受講料を全額いただきます。事前の連絡をよろしくお願い致します。


SMILAUGHさんから提供いただいたハンドメイドレシピ


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