“使う人が主役”の箱づくりを―Haco Works 国府田清香さん
2007年12月04日10時01分生活を楽しむために使うものが「箱」
お皿や調味料ケースを「Haco Works」で統一
いろんなところにアンテナを張るようにしていて、季節ごとのファッションの流行には注目しています。作品作りはファッションの発想と似ていて、たとえば、お洋服を着たときになにか足りないと思ったら、ベルトを巻いたりネックレスを付けてみたりしますよね。それと同じで「布を貼ってみたけど端の切りっぱなしが見えるのは嫌だな」と思ったらリボンを巻いたり……というふうに箱作りを楽しんでいます。だから、「VOGUE」などのファッション雑誌を参考にすることも多いですね。また、海外旅行に行くとインテリアショップには必ず寄るようにしています。
―似て異なるジャンルから影響を受けているんですね。では、作品を作ろうと思うのはどんなときですか?
私の場合、普通のカルトナージュのように作品を作ってから中に入れる物を考えるではなく、「ティーカップを買ったから、カップを入れておく箱が欲しいな」と思うんです。そうすると「箱の中に一緒に入れるお茶の缶もかわいいほうがいいな」と思って、同じ布を貼って空き缶もアレンジするという発想が生まれる。物が主役じゃなくて使う人が主役だと思っているし、生活を楽しむために使うものが箱だと考えてるんです。だから、金具などのパーツにもこだわったり、ちょっとしたところにもときめきを忘れないようにしています。
ティーセットは箱ごとテーブルに出せるように
―そういった、女性らしいときめきを忘れない秘訣はなんですか?
自分を大切に思うことではないでしょうか。自己中心的になるということではなく、自分を大切にすることで他人に対してもやさしくなれると思うんです。一方的に「愛されたい」と思っている人も多いと思うんですけれど、愛されるためには自分自身を大切に思っていないといけないんですよね。私がそういう気持ちに気づくことができたのは、家族や周りの人の愛があったからです。「Haco Works」の活動を通しても、そういう大切なことを感じています。
あたたかみのあるインテリアは手づくりだからこそ
―「Haco Works」の活動は、国府田さんにどんなことをもたらしてくれますか?
そうですね、箱や布はあたたみがあるものですから、いろんな人とつなげてくれるし、いろんな物を大事にしてくれるんです。だから、生活の中に自分なりの工夫をこらした箱を取り入れることで、ゆとりが生まれたり、ストレス解消にもなりますね。今回の「カルトナージュ 箱で楽しむインテリア」を出版したのも、そういったことを伝えたかったからなんです。
―今後の具体的な目標はありますか?
恥ずかしいんですけど、目標がいつもショートスパンで。「これが終わったらこれをやろう」っていう感じなので、遠い先のことがわからないんです(笑)。でも日々、心がけているのは、常に1,000%の力を出すということ。あとは、外面を着飾ることではなく、創作などで内面を磨くことで自分自身を大切にできるということを、若い女性たちにもっとわかっていただけるような活動をしていきたいですね。
(取材/高本亜紀)