ポラロイド写真から生まれる、やさしい風景の作品―le-miel 副島さちこさん
2007年12月05日22時01分
le-miel 副島さちこさん/Sachico Soejima
ビジュアルマーチャンダイザーとして勤務後、le mielとしての活動を開始。アンティークのポラロイドを中心とした写真撮影と、その写真を使ったポストカードやカレンダーなどの紙雑貨製作をメインに、ウェブ等のデザインも行う。
はちみつホテル:http://www.lemiel-hotel.com/
見慣れた風景を特別にしてくれた、ポラロイド写真の魔法

ネットで購入したSLR680。
撮ったその場で現像されて、すぐ出来上がりを見ることができます。
約5年前、本屋さんでなんの気なしに手にとった本が、ポラロイド写真とエッセイが組み合わさった本でした。その写真の色あせた感じに惹かれて……。そこから興味を持ち、インターネットで古い型の機種を購入しました。最初に購入したのはSX70、それからSLR680という機種を購入しました。古めかしい革のケースや、使わないときは平べったくて四角い形なのに、持ち上げるとカメラの形になるルックスにもひとめぼれ。持っているだけでもうれしくなってくるデザインなんですよ!
以来、撮影はポラロイドが中心に。部屋の中ではもちろん、ちょっとしたお出かけや散歩、海外旅行にも欠かさず持っていくようになりました。被写体は、毎日の生活の中で目にするお花やカゴバッグ、小さな小物たちなどを何気ないものが多いですね。
―オリジナルのポストカード作りのきっかけはどのようなものでしたか?
最初は、自分の部屋でそのままテープやピンでとめて壁に飾ったり、フレームに入れたりと、インテリアに取り入れて楽しんだり、ポラロイド写真専用のアルバムにファイリングしてまとめてバスケットに収納して、リビングや寝室、キッチンなどに持ち運んで、気ままに手にとって眺めたりしていたんです。そんな大好きなポラロイド写真を、いろんな方に見てほしいなと次第に思うようになって……。焼き増しのできないたった1枚のポラロイド写真は、友達に「見て!見て!」と言って、見てもらうことはできても、簡単に「あげる!」ってわけにもいかなくて…(苦笑)。
どうすればいいかな~と考えていたときに、声をかけていただいたのが馴染みのカフェ「カフェ シオン」のオーナーさんだったんです。わたしの写真を見てくれていたオーナーさんが、「今度お店でポストカード展をするんだけど、出してみませんか?」って誘ってくださって……。いろんな方に見てもらえるチャンスだと思って、おもいきって、参加させていただくことにしました。
色の出来上がりは「偶然の出会い」

(上)パティスリーの一角でのミニ写真展。
(下)ミニ黒板にテープでペタリと貼り付ける
だけでもおしゃれ!
ポストカードの作り方は、まず使いたいポラロイド写真をスキャナーで取り込みます。それから、Photoshopでデザインします。特にこだわったのは、その形。わたしは、ポラロイド写真の正方形と白い余白のニュアンスが大好きだから、ポラロイド写真がそのまんまカードになったような、その比率にこだわりました。完成するまでに、何度も試行錯誤を繰り返し、数ミリ単位でデザイン。それから、ノスタルジックな写真の色合いを生かすために、ポストカードの紙質にもこだわりました。紙も最初はいろいろ試しましたね。紙質によって、こんなにもインクのノリって違うんだ……って。ポラロイド写真自体も、自分が思ってもみないような色のニュアンスで出来上がるので、色の出来上がりってちょっぴり偶然の出会いっぽいかも(笑)。
作品を創るようになった最初の頃は、真っ赤なイチゴやみずみずしいオレンジとかを被写体に。真っ赤なイチゴもポラの魔法にかかれば、本当にいい色みになるんですよ。最近は、花の枯れゆく姿にも惹かれています。家の中で撮影するものは、その被写体がいちばんステキに見える表情を捉えるようにしていますが、散歩にでかけて風景を撮るときは、自分の中で「わ! かわいい」「あ、気持ちいい」と感じるドキドキ、ワクワク感を大切にしてシャッターを押しています。そのときの光とか空気とか、そういうものを心に焼き付ける作業って感じでしょうか……。パリに旅したときなどは、特にそんな感じでした。
―何枚くらい種類がありますか?
数えたことないんですけど……(笑)。一回のイベントで5枚くらいは作成するので、30枚くらいでしょうか? 1種類のカードも100枚200枚と量産はしていないんです。本当に気に入ってもらった人の手元に届いてほしいから……。
―作品展の手ごたえはいかがでしたか?
1枚のポラロイドがポストカードになって、みんなの手元に届く……、なにげなく目にとめてもらえることがうれしかったですね。

