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アートとしてのカリグラフィーの奥深さ―はまだふくこさん

2007年12月06日19時01分
おしゃれなグリーティングカードやパーティの招待状などで目にする、手書きのアルファベット=カリグラフィー。優雅な文字をさらりと描くのは、カリグラフィー作家でGarboコンシェルジュとしても活躍中のはまだふくこさん。「今年もまた海外に行って何かを吸収したい」とつねに前向きのはまださんを訪ね、カリグラフィーをはじめたきっかけ、その魅力などについて伺いました。

はまだふくこさん/Fukuko Hamada

カリグラファー、フリーランスライター。広告代理店に勤務したのち、1995年にフリーランスライターとして活動。以来、スパ&エステ、ホテル、料理などの分野を中心に取材、執筆活動を行っている。Garboコンシェルジュも担当。カリグラフィーと出会ったのは15年ほど前。カリグラフィー作家として現在はカリグラフィーのレッスン、パーティの招待状やカードの筆耕、ショップのロゴ作成などを手がけている。。

美しいアルファベットに目が釘付けに


ペン先は先が平らなものなど書体や文字の大きさによって使い分ける
―はまださんがカリグラフィーと出会ったきっかけは?

あるときファッション誌のページを何気なくめくっていたら、とても美しい特集タイトルに目が釘付けになったんです。それは見たことのない手書きのアルファベットでした。その文字の簡単な説明が載っていて、こういう書き文字をカリグラフィーっていうんだ、とそのとき初めて知ったんですね。

「これは絶対私に向いている!」と瞬時に気に入り、即、スクールがあるかどうかを探し出して、1週間後には教室をたずねて行きました(笑)。それが15年ほど前のこと。日本にカリグラフィーが紹介されてまだ間もないころでした。

―実際にカリグラフィーを習い始めてみてどうでしたか?

週に一度の教室に通い始めたんですが。そのころはまだ生徒の数が少なく、ひとクラス7~8人に対して、先生が2人。ほぼマンツーマンに近い状態でみっちり教えてもらい、授業時間も2時間あって。私は、夢中になりました。

―どのくらいで習得され、作家として活動されるようになったのですか?

書体を覚えるところから入り、一つの書体を覚えたら作品やカードをいくつか作り、また次の書体を覚えるんです。最初は、がんばっても一書体覚えるのに3ヶ月ぐらい、書体によっては1年近くかかったものもあり、けっこう大変でした。私は、3~5年経って、10書体くらいかけるようになって、やっと自信がついたように思います。絵手紙とかなら、一回のレッスンでも何かを作れると思うのですが、カリグラフィーは何度も通って書体を覚えないと作品を作れないので、挫折する人もいるんですね。
私は3年半から4年ぐらい教室に通って、プロとして活動するようになりました。それまでも、海外のアーティストが来日した際にクラスを受講していましたが、プロになってからは、自分から積極的に海外に行ってワークショップを受けるようになりましたね。


(左)カリグラフィーを市販のフォトフレームに飾った作品。裏表6面に、文字やハート、紙を貼り合わせコラージュ。
(右)台紙のハートのエンボス紙は海外で見つけたもの。手作りの額窓がついて素敵なインテリアに。


アメリカのカンファレンスでは、海外のカリグラファーとの交流も。
参加者の作品も多く展示され、それを見るだけでも楽しい。
―海外で得たものは大きかったですか?

そうですね。「アルファベットにも文字それぞれにバランスというのがあり、文字間にしても同じ。それから逸脱しないように」と言われました。アルファベットを恒常的に使わないため気づかないことだったのですが、アルファベットにも、日本人にとってのひらがなのように、一つ一つの文字のバランスがあるというのを知って。カリグラフィー作家として大切なことを得ましたね。

―海外でよく参加するスクールなどはあるのですか?

アメリカで毎年300人から500人ぐらいの人が集まるカリグラフィーのカンファレンスが開かれるんですが、それにできるだけ参加するようにしています。1週間、早朝から深夜までカリグラフィー漬けですが(笑)、個性豊かなアーティストと触れ合ったり、ワークショップもあるので、文字という枠を超えて、アートとカリグラフィーのコラボなども学べるのでとても勉強になります。アートとしてのカリグラフィーの奥深さも知りました。外国人ならではの色使いもいい刺激になるし、参加者同士の交流も楽しくて。今年も何かを吸収しに行ってきます。

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はまだふくこ  , カリグラフィー  , 文字  , ハート  , 根本厚美  ,

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