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「モダン千代紙」でつくる、おしゃれで実用的な紙小物―アニャンさん

2008年12月01日15時01分
おしゃれでモダン、そしてどこか懐かしさを感じるノスタルジックなデザインが魅力の「モダン千代紙」。これは、山梨県にあるアトリエを拠点に創作活動を行っているイラストレーターのアニャンさんが手がけているもの。独特の世界観で、乙女心をくすぐる作品を生み出しつづけているアニャンさんに、「モダン千代紙」に辿り着くまでのきっかけや、影響を受けたもの、創作の楽しみなどについて伺いました。

アニャンさん/anyan

イラストレーター。1976年、山梨県生まれ。明治学院大学フランス文学科卒業。イラストレーターとして、また、キモノや雑貨のデザイナーとしても活動中。“和”や“レトロ”の世界をモダンに味付けしつつ、物語性のある作品を多く発表している。著書に『モダン千代紙でつくる紙小物』(誠文堂新光社刊)がある。
アニャンH.P http://www.anyan-sha.com

暮らしに合った“モダン”な千代紙に込める思い


アニャンさんがデザインしている「モダン千代紙」の一部。
―アニャンさんは、もともと画家として活動されていたんですよね?

はい。今はパターンのデザインなどが多いんですけど、最初はドローイングを中心にしていて、それが現在の活動に至るきっかけでもあります。

というのも、イラストの世界観を見てくださった方が、「着物のデザインをしてみないか」と声をかけてくださったんです。絵の中でも模様を描いたりはしていたんですけど、実際に2002年頃から帯や着物のデザインをするようになって、そこからパターンのデザインもはじめて。

でも着物は高価なものなので、たくさんデザインを採用してもらえないんですよね。それで、気軽に自分でプリントしたりできるものをと、一昨年あたりから作るようになったのが「モダン千代紙」なんです。

―アニャンさんのイラストやデザインは、文学をイメージさせるような印象があるのですが、インスピレーションはどのようなところから受けるのでしょうか?

もともと影響を受けたのが、大正、昭和のはじめの挿絵画家と呼ばれていた竹久夢二や、中原淳一なんです。その時代は写真がそれほど発達していなかったので、ファッション誌も全部、絵で描いていたような感じで、彼らはイラストレーターとしてだけでなく、アートディレクターや、デザイナー、文学作家としての複合的な影響力を持っていたんですよね。そんな彼らに憧れてましたし、大学でもフランス文学を学んでいて、どっちかというと文学系に親しみながら、絵を描きはじめたので、文学的なところからの影響は大きいのかもしれませんね。


(左)千代紙の素材になった切り絵。 (右)モダン千代紙作品「touriame」

―やはり和風のものには興味があるのですか? モダン千代紙の由来は?

着物のブランドから声をかけていただいてから、自分でも和の世界をちゃんと知ろうと思いはじめて、親しむようになりました。「モダン千代紙」と名付けているのは、ただプリントしただけじゃなくて、いろんな使い道があるというのを知ってほしいからなんですよね。日本人は古くから紙に親しんでいて、平面からいろんなものを作り出すのが得意な文化だと思いますけど、ぽち袋とか、いかにも和というものを作るだけでなく、今の暮らしにあったものを作ってもいいのでは、という考えがあって。だから千代紙にモダン=現代をつけて製品化したんです。

―ワークショップは定期的に開催してらっしゃるんですか?

2006年、池袋コミュニティ・カレッジというカルチャースクールでしたのが最初です。そのときは、ティーグッズとか、おもてなしをコンセプトにした物を作る、というテーマでやりました。去年も神保町のアートブックショップで、『モダン千代紙でつくる紙小物』に掲載している紙小物を作るワークショップをしましたし、今年はまた池袋のコミュニティ・カレッジで紙小物のワークショップをする予定です。

―最初、アニャンさんは女性だと思われませんでしたか?

そうですね。女性とか、外国の人だと思われていたりもします(笑)。先日もワークショップをしていたときに、始まって20分くらい経ってから、「先生がアニャンさんなんですか?」って言われて(笑)。今さら隠すことはないんですけど、「アニャン」という名前にしたのは、抽象的な方がいろんな想像をする余地があって楽しいかなと思ったからなんですよね。

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