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オブジェのように飾っておきたくなる、YOSHIKOさんの籐で編んだかごバッグ

2010年12月08日11時01分
これまで、日本の伝統民芸や外国のマルシェバッグなど、ナチュラルなイメージの強かったかご。YOSHIKOさんはそんなかごを自ら編み、カラフルにペイントしたり、リボンモチーフや刺しゅうを施すことで、新しい提案をしています。精力的に展示を行うYOSHIKOさんのアトリエにお邪魔し、かご作りとの出合いや楽しさについて、たっぷりお話をうかがいました。

YOSHIKO 斉藤美子さん/Yoshiko Saito

文化服装学院バッグデザイン科卒業。2003年よりオリジナルブランド『YOSHIKO』をスタート。籐を編んだかご作りをしている。ショーウィンドウのディスプレイなども手がける。作品はすべて1点もの。JR京都伊勢丹解放区、mofmof、Web selectshop maemelo、girlshなどで購入可能。
ホームページ:http://yoshikobag.jp/

作りながら考えていって仕上げる感じが面白かったし、自分にも合っていた


布を組み合わせたかごバッグは、YOSHIKOさんの代表作品。
―子どもの頃から手作りがお好きだったのですか?

家庭科の授業で作るのが好きという程度だったのですが、中学か高校生くらいで将来の進路を考えたとき、何となくファッション関係に進みたいと選んだ感じです。だからまず、服飾美術の大学に4年間通いました。趣味でトートバッグや刺しゅうをしたポーチを作ったりしていたのですが、専門的に勉強しないとバッグデザイナーとして企業に就職するのは難しいと考え、卒業してから専門学校のバッグデザイン科に入ったんです。もともと、自分で作って自分の物として発表して生活できるようになりたいというよりも、会社に入りたいという気持ちの方が大きかったですね。だから実は、現在の状況は、当初のビジョンとは違うんです。

―それは意外ですね。では作品を作るようになった経緯は?

専門学校2年生の始めに、自分の作品として作っていたバッグをお店の人が気に入ってくれて、自分のブランドとしてお店に卸す活動が始まったんです。作家としてやっていける実感はなかったのですが、卒業のタイミングで扱ってくれるお店が増えたので、その流れでホームページを作ったりして、今に至ります。

―そもそも、かごバッグを作ろうと思ったきっかけは?

授業の中では革のバッグを作ることがメインなのですが、それ以外に手芸的なテクニックを習う授業もあって、そこで「バスケタリー」という、かごのバッグを作るテクニックに出合ったんです。かごは普通に材料を買ってくれば作れるんだと教わって、そこからですね。

―では作品は最初からかごバッグだったのですか?

そうです。授業で作ってはまったというか。革のバッグは最初に「こういうバッグを作ります」とちゃんとデザインして、型紙を作ってきっちり裁断をして、縫製までやっていく感じなのですが、私が作っているようなかごは作りながら考えていって、最終的に仕上げる感じなんです。そういうところが面白かったし、自分にも合っていたんだと思います。


(左)作品作りに欠かせない裁縫道具。 (右)ヘアアクセサリーやブローチ、キーホルダーなどの小物も。

―編み方を習って、編めるようになるまでは時間がかかりましたか?

授業のときは手取り足取り教えてくれた訳ではなく、「かごはこういうもので、こういう構造でできているから作ってみて」という感じだったので、始末はどうするかも教えてくれなかったんです。自分で作りたい物、表現する物のテクニックとして、ビーズ刺しゅうやバスケタリーがあって、何か引っかかるものがあればやってみたらいいよという感じで、たくさんある手法の1つでした。しばらくはそれを基本に作って、図書館で古い本を見て「ああそういうことか」と納得して。でも、手が慣れていないと本を見ても難しくてできないんです。たくさん作って慣れてくるうちに、見ても作れるようになりました。

―作るときはまず作りたい形があって、細かいところは作りながら決めていくのですか?

それが多いですね。でもお店に卸すときや普段のファッションとして作るときは、自分の中での定番の形、大きさからは外れないようにします。型紙は作らず、バランスを見ながら作っていきます。最近知り合いにパソコンがぴったり入るケースを注文されたのですが、そのときはサイズを聞いて土台を作り、それに這わせるように編みました。きっちりと編んだり、ランダムに編んだり、そのものに合わせて作り分けています。


(左)アトリエには作品のほかに、友人の作家たちの作品や、YOSHIKOさんお気に入りの雑貨が並ぶ。
(右)YOSHIKOさんのホームページのために、イラストレーターの東ちなつさんが描いた作品。

―作品には椅子などの大きい物もありますが、完成させるのに時間がかかりそうですね。

籐を水に浸して軟らかくしてから編んでいって、乾燥してから色を塗ったり染めて、さらに乾燥させてニスを塗ってまた乾燥させて……という工程なので、トータルにすると何日もかかりますね。材料は専門店で手に入ります。今はもうしないですけど、学生のときに作品として作るときは、山に入って古い木を拾ってくることもありましたね。

―きれいに編むのは難しくて大変なのではないでしょうか。

細かいところを編むときは、やっぱり力が要るんです。でも技術として身に付けば、そんなに力を入れずに編めます。編み物でも、慣れたらそんなに力を入れずに密度濃く編めますよね。それと同じ感じです。技術はやっていくうちに身に付くものだと思いますね。

―かご作りには特別な道具が必要なのですか?

ハサミがあればたいてい大丈夫です。途中で折ったり、沿わせたりするときにはペンチみたいなものでちょっと潰して型をつけたり、すき間に細く入れるときは目打ちで穴を開けてそこに入れ込んだりします。

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