娘達のために…、編み始めたニット小物が ママ達みんなの子供達のためのモノに…。－*ricotto

2010年11月03日00時01分

無理のないスタイルで制作活動をする。 子供達との時間も大切にしたいから。

―制作されるときに特別なこだわりの道具はありますか？ある場合はどんなものですか？

特にないです。編み針、編み棒と糸だけ、至ってシンプルです。でも、このように道具と材料がシンプルで、どこででもできる編み物だったから、子供のいる私でもはじめられ、続けていられるんだと思います。子供達がお昼寝している間、すぐそばで子供達の寝息を聞きながら、編むことができ、子供達が起きたらすぐ手を止めることができます。子育てをしながら、無理のない範囲でマイペースにできる編み物、私には合っているみたいです。現在も、毎月にお引き受けする点数を決めて、注文を受けています。

―どんなシーンを想定して作品を考えていますか？

お子さん達がお出かけするシーンを想定して考えています。フランスの赤ちゃんて、絶対靴をはいているそうなんです。カラータイツに靴を合わせたりしていて、おしゃまな感じ。すっごくかわいいんです。そういうシーンをイメージして、自分の作品を作っていますね。特に靴は、「お祝いに…」とご注文いただくことの多いアイテムなので、こだわっています。

―どんなふうにこだわられています？

そうですね。赤ちゃんのソックスや靴ってすぐに脱げちゃったりするんですね。ソックスはかせてベビーカーに乗せてお出かけしたら、いつのまにかソックスが片っぽ脱げてなくなってた…なんていうご経験をされたママもいらっしゃると思うんですけど、そうならないためにニットのお靴をはいてもらったらいいかなと思っています。私がデザインしているお靴は、かかとにフィットするような編み方で、さらに脱げないように、足首にストラップをつけています。 それと、子供達って本当に成長が早いんですね。すくすく育って、１年経つと、お靴もサイズアウトなんてことも日常です。だから、少し大きめに作って来年も身につけていただけるよう考えて編んでいます。ストラップがあると、少し大きくても足首でとまっているので、脱げることなく安心してはいていただけると思います。 ニットだから、帽子も、今年はすっぽりかぶって、来年はジャストサイズ、再来年はちょこんとのせて…みたいに楽しんでいただけるかなとも思います。

―さきほどの肌ざわりのこともそうですが、母親ならではの目線ですね！「*ricotto」さんの作品の楽しみ方を教えてください。

お帽子やお靴に合わせて洋服を選んでもらうと、とっても楽しいと思います さきほども少しお話しましたが、「*ricotto」は、子供ライクではない、ユニセックスにデザインしています。例えば、ベビーピンクよりも少しくすんだローズピンクを使ったり、お帽子でもてっぺんのボンボン部分を赤色やパープルをさし色にして、シンプル＆ナチュラルな中にもアクセントにしたり…。

（左）作業道具はコンパクトにまとめてカゴに収納。 （右）贈り物にされる方も多いので、ギフトボックスのデザインにもこだわります。

―播州織りの作家さんのショールも取り扱われているそうですね。

はい。肌ざわりのお話をさきほどさせていただきましたが、近頃アレルギー体質のお子様も増えているんですね。ウールのマフラーを巻くとちくちくする、かゆくなってしまうなんてこともあって、かわいそうだなあと…。木枯らしの季節は、ママ達は子供達に防寒もしっかりさせたいんです。しかも、それがおしゃれなアイテムならうれしいですよね。以前から私が愛用させていただいていたタマキニイメさんの播州織りのショールは、感激の肌ざわりの良さなんです。子供用もあるといいなあと思って、去年のはじめにご相談させていただいたら、チャイルドサイズ（４～５歳用で50×130～140センチ）を作っていただけることになりました。それで、今シーズンからお取り扱いをスタートさせていただきました。

―お子さん達のことを考えられて、出来上がる作品の数々だったり、取り扱うアイテムなのですね。

生活していく中で、「あったらいいな」、「こういうデザイン、娘達に似合うかな」とふと思いついたものが作品づくりに繋がっていきますね。オリジナルブレンドの紅茶を扱っている「マチネ」さんと一緒に考えた「コドモノコウチャ」も、日常生活の中から誕生した商品です。家族で集まってお茶会をするとき、大人達はお菓子と合わせて紅茶を飲みますが、子供達はミルクとかオレンジジュースだったりしますよね。そんなシーンで「子供達もおしゃまな感じで飲むことができる紅茶があればいいのに…」そう思って「マチネ」さんにお願いし、ノンカフェインの紅茶を作っていただきました。ミネラルがたっぷり含まれたルイボスティーと栄養価の高いメープルシュガーをブレンドした紅茶、小さなお子様や妊婦さんにも安心して飲んでいただけます。

（左）紅茶ブランド「マチネ」さんとのコラボ商品「コドモノコウチャ」 （右）「no*ricotto」のとりのブローチ。

―おいしそうですね。

大人も飲んでいただけます。カフェインが苦手な方にもおすすめですよ。

―*ricottoさんの作品は、ギフトにされる方も多いみたいですね。実際のお客様の反響はいかがですか？

包みを開けていただく瞬間からワクワクしてもらえたら……と思っています。 ありがたいことにご好評をいただき、出産のお祝いなどに使ってもらったり毎年お帽子をご注文してくださるお客様も多いです。 小さなお子様はお出かけに連れて行くのも結構大変です。でも「*ricotto」のアイテムを子供達に身につけさせて、ママもお出かけするのが少しでも楽しみと思っていただけるようになればれば、うれしいです。

―今後の目標を教えてください。

毎日身につけていただく小さいお子様やママの喜ぶ顔を楽しみにひと針ひと針編んでいます。今後も少しづつではありますが頑張りますので*ricottoをよろしくお願いいたします。 子育てが落ち着いたら、のんびりしたお店を構えることができればいいなーと思っています。もともと接客が大好きなので、お客様お顔を拝見しながら、ものづくりを続けられたらうれしいです。

―ありがとうございました。


（取材／いなだみほ）