エキサイトブロガーハンドメイド作家特集 vol.48
2011年12月09日06時01分今回は「au bon gout/journal」のau bon gout Masamiさんにご登場いただきます。
♯1 ひと針ひと針心をこめた上品な手刺しゅうにセンスのよさが光る!――「au bon gout/journal」のau bon gout Masamiさん
アルファベットのクロスステッチを施したおしゃれなバッグや布小物にパリのエッセンスが香る、au bon gout Masamiさんの登場です!
京都出身、茨城県つくば市在住。質のいいセンスのいいものという仏語「au bon gout」、パリにあったメルスリー(手芸屋さん)の店名。2004年にはその名前から命名したサイト『au bon gout』を開き、ホームページやイベントで手刺しゅうをプラスした作品を紹介・販売。不定期にクロスステッチレッスンも開催している。
「au bon gout/journal」
お嫁入り道具のドレッサーの鏡を外したチェストにミシンを置いて。
「区切りのある引き出しには、手仕事道具を収納しています」
――手作りをはじめたきっかけは?
洋裁も和裁もしていた母が針を持つ姿を、子どもの頃からずっと傍で見ていたので、私にとって「布や糸で何かを作る」ことは自然なことでした。小学校低学年の夏休みの自由課題の宿題で、テーブルクロスにアウトラインステッチしたのが、初めての刺しゅうですね。
その後、結婚して娘が生まれた後、幼稚園バッグに始まり、お揃いのワンピースを着たくて洋服を作ったり、手作りすることを再開。それからは夢中になって、仲間と「手づくり展」を開いたり、雑貨店への委託販売を経てホームページを開設しました。
――得意な分野は?またその分野に興味をもったきっかけは?
クロスステッチを活かした作品作りですね。
結婚してから家族でパリに1年暮らしたことが、今の私の手仕事のカタチの始まりです。
当時は日本ではまだ馴染みがなかったLIN(亜麻)とクロスステッチに出会ったことが大きなきっかけです。生地屋で目にするLINは、風合いが良くて上質な布。クロスステッチ専門店があることも驚きでしたが、赤糸一色で刺されたサンプラーは大人の女性の手仕事で、私がそれまで持っていたクロスステッチのイメージを大きく変えました。
刺しゅう糸と針と布、図案があれば、どこにいても始めることができるのも魅力でした。
(左)色とりどりの余った刺しゅう糸で、ステッチの練習。 (中)『はじめてでもできるアルファベットの刺しゅう』という本の作品依頼で初めて刺した思い出の作品。 (右)秋のイベントに向けて作ったバケツ型バッグ。 |
「私の作品の中でいちばんリクエストが多い斜めがけバッグです」
布を合わせたり、手刺しゅうを少し加えるだけで思いがけない新鮮な発見があって、それが作ることの楽しみにつながるのが魅力です。
パリで習っていたお料理教室のキッチンに、赤い糸で刺しゅうしたリネンのクロスがかかっていたように、毎日の暮らしの中にさりげなくどこかに手刺しゅうがある作品を作りたいと思っています。
クロスステッチはいちばん好きな刺しゅうですが、繊細で細かな刺しゅう作品というよりも、ざっくりとしながらきちんと感のあるシャビーな仕上がりのステッチと、旅先で見つけた布やテープやレースなどを利かせた実用的でシンプルなデザインの作品が好きです。
――他の分野で挑戦してみたいものは?
興味のあることに出会っても、この数年の間は目前の手仕事に夢中というか、精一杯で、他の分野にまで踏み出すことができずにいるのですが…。勉強したいと思っているのはドロンワーク、モノグラム刺しゅうです。
――これから作ろうとしているもの、また今後の展開を教えてください。
憧れているのはアンティームな作品を作ること。今の私の周りにはかわいいものが多すぎて、私には不似合いな気がしていて、美しくもどこか懐かしくてぬくもりが伝わるカッコいい大人なイメージをカタチにしたいです。
また、ホームページで作品を紹介・販売したり、イベントや企画展にはチャンスがあれば参加していきたいです。
10月には、大阪梅田で開催のホームクチュリエWEST」に参加の予定です。出身が京都なので、関西地方のイベントで『au bon gout』の作品をいつか紹介したいとずっと思っていました。初めての場所で初めての方とお会いできることをとても楽しみにしています。
そして、ずっと先の大きな夢は、好きな『旅』と『作品』を一緒に紹介できる何か、たとえば本を作ることができたらいいなと思っています。
次回もお楽しみに!