シンプルで美しいフォルムを描く、Simprinの帽子
2008年12月07日23時01分Simprin 岡部淳子/Junko Okabe
帽子デザイナー。2000年に平田帽子教室を卒業し、2001年からハンドメイドの帽子ブランド「Simprin」をスタート。大人の女性のための、ナチュラルで上質な帽子を提案し、セレクトショップを中心に販売。デザインだけでなく、常にかぶり心地のよさや軽さも追及しつづけている。ホームページ:http://www.za.em-net.ne.jp/~simprin/
市販では作れないような、ハンドメイドならではのデザインを心がけて
今年の春夏の新作。麦わら素材を使ったものなど、
涼しげなデザインの帽子が並ぶ。
帽子はもともと好きでよくかぶっていたのですが、以前は今みたいに手軽にかわいい帽子が手に入らなかったので、自分で作れたら、というのがありました。そんなとき、帽子作家の平田暁夫さんという方の本を見ていたら、後ろの方に教室のことが書いてあるのを見つけて、通ってみようと思ったのが最初のきっかけなんです。それが10年くらい前ですね。
―もともと手づくりはよくしてらしたんですか?
いえ、どちらかというと得意じゃなくて(笑)。ミシンもそのときになって、ふつうの家庭用のものを買ったんです。今も帽子以外のものは、率先して作ろうということはないんですよね(笑)。
―ブランド「Simprin」を立ち上げたのは、いつ頃ですか?
1年間、教室に通ったのですが、週に一度の教室でしたし、実はプロになりたいとは思ってなかったんです。でも、周りはプロになりたいという人たちが多い教室で、私も「どうせやるならお店に置いてみたら?」と言われて。細々でも続けていったら、もしかしたら好きなことが仕事になるかもしれないな、と思ったんですよね。
ストライプ生地と麦わら素材のコンビのクロシェ(2004年制作)。
この生地との出会いが、Simprinらしさの原点になったとか。
―デザインするときのこだわりは何ですか?
フォルムの美しさです。シャープなものではなく、やわらかいラインが好きです。最近心がけているのは、雰囲気がやさしいもの。見たときに、そういう印象を持ってもらえたらなって思っています。あと、わりとパターンの枚数が多いものにしたいですね。クラウン(頭が入るところ)は最低2枚のパターンでできるんですが、もうちょっと凝ったもので、何枚も組み合わせて、市販ではなかなか作れないような、ハンドメイドならではのデザインを心がけるようにしています。
―素材もいろいろ使ってらっしゃいますよね。
生地自体は麻とか綿とか、冬だとウールとか、天然素材が多いんですけど、やっぱり、はぎ数が多いので、布の種類をたくさん使います。その組み合わせがおもしろいと思っていただけたら、という思いもありますね。
(左)旅先でのお土産として集まったテディベアなど、愛らしいくまのぬいぐるみコレクション。 (中)岡部さんが小さなときに描いた絵から、お母様がパッチワークで作ったエプロン。今は額に入れて飾ってある。 (右)シンプルで静かなアトリエにある、愛用のミシン。 |