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アンティーク着物から生まれる、世界にひとつだけのバッグ―鹿の子

2008年12月08日06時01分
アンティーク着物とヨーロッパのヴィンテージ素材を組み合わせ、独特の風合いを持つ、世界にひとつしかないバッグを作り続けている「鹿の子(かのこ)」。このブランドのデザイナーである細村亜弥さんにお会いし、亜弥さんが集めてこられたアンティーク着物の数々を見せていただきながら、和に興味を持つようになったきっかけから、これからの抱負まで、さまざまなお話を伺いました。

鹿の子 細村亜弥/Aya Hosomura

袋物作家。「鹿の子」はオリジナルバッグのブランド。多摩美術大学造形表現学部に在籍中、空間デザインを専攻し、日本独特のデザインや着物など、和の世界に興味を持ちはじめ、和装小物・バッグ製作を仕事としていた叔母に学び、着物の生地を使ったオリジナルバッグの製作を開始。現在、自身のサイトと、セレクトショップにて販売を展開している。
ホームページ:http://www.kanokohandmadebags.com/

古いものなのに、色使いや図柄が新しい、アンティーク着物に魅せられて


『森で見つけたお菓子箱』という名のバッグ。
「鹿の子」のバッグの中で一番人気の定番デザイン。
―大学時代、和の世界に興味をお持ちになったそうですね。

はい。大学で専攻していたのは空間デザインで、何をテーマにするかと考えたときに、もともとフランスがすごく好きだったり、アメリカのアンティークものが好きだったり、海外に興味があったんですけど、逆に思いきり日本を追求してみたらどうだろう、と思ったんです。

当時は店舗やインテリアなどのデザインをやっていたんですけど、着物の柄をモチーフにする機会があり、それまで「着物の柄といえばこうだ」と自分が思っていた以上にいろいろな柄があるのを知って、そこから着物にも興味を持つようになりました。

―バッグのブランドにしようと思われたのは?

叔母がバッグの仕立てをする職人だったので、子どもの頃から叔母の家に遊びに行っては作らせてもらっていたんです。ですから、そういう自分のバックグラウンドと、着物との出会いがうまく合わさったんですよね。

―「鹿の子」を立ち上げたのはいつですか?

「鹿の子」のウェブを立ち上げたのは5年くらい前なのですが、実際はそれ以前に、いろんな人から、「こういうのを作ってほしい」と頼まれることがあり、作ってプレゼントしたりはしていました。

―和の魅力というのはどんなところでしょう?

特に私が興味があるのはアンティーク着物なんですけど、すごく古いものなのに、色使いや図柄が新しく見えて、日常に今溢れているものとは違い、魅力的に思えたんですよね。「こんな色と、こんな色を合わせちゃうんだ!」っていう、おもしろい発見もあって、アンティーク着物にこだわって使ってみたいな、と思いました。

―デザインはどんなふうにされてらっしゃるんですか?

基本的にはまず、着物の生地や材料がある程度あって、この生地だったらどういう形のバッグにしようか、と考えるところから始まります。それからスケッチを描いて、どんどん実際の大きさで型紙をひいていく。飾りでどういう味付けをしようかというのは、バッグの形ができてから次のステップですね。


(左)アンティーク着物は、バッグの素材にしようと思って求めたものの、あまりにきれいだったため、飾っているのだそう。
(右)デスクで作業をする亜弥さん。北欧系デザインの椅子の柄は、着物の柄にも通じるものがあるよう。

―デザインするとき、インスピレーションを受けるものは何ですか?

柄と色からの思いつき、という感じなんですよ。でも、お客さんにトートバックを作ってほしいといわれたら、「トートバックに合う生地はどれかな?」と考えます。感覚的なものが大きいですね。あとはお客さんが例えば、「冬なのでモノトーンっぽくしてほしい」ということでしたら、そういったご要望に合う生地を提案し、選んでいただくようにしています。

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