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子育てを通じて見つけた、奥山佳恵さんの“毎日使える”ものづくり

2008年12月09日17時01分

「息子が私の手作り作品の一番のファンでいてくれる」


チェックがかわいい、赤ちゃん用のケープは奥山さんの力作。
―息子さんから手づくり作品のリクエストがあったりは?

すごくあります。ありがたいことに息子が私の手作り作品の一番のファンでいてくれて、自分が着る服を自分で決めさせているのですが、私が作ったものをよく選んで着てくれるんです。あるとき、息子の着古したズボンのポケットにボタンをいっぱい付けたら、本当に喜んでくれて、毎日のようにそれを履きたがるんですよ。「今度は全部ボタンのズボンがいい」とか、「ポケットを付けてほしい」って言ってくれるので、チェックやデニム、水玉のいろんなかわいいポケットがいっぱいのズボンを作ってもいいかなと考えています。

―大切に長く着ることが、自然と身につきそうですね。

そうですね。手を加えることで、買ったときよりもさらにかわいくなればいいなと思います。ズボンの色や形にあわせて、まるで最初からついていたみたいに、工夫してモチーフをつけるのも楽しいですね。いまのところ、着られなくなったものをすぐに捨てるっていう発想が息子にないのは、いい影響だったなと思います。

―息子さんとは一緒に何か作ったりするのですか?

一度番組で、生地を好きなように切り貼りするという遊びを紹介したんです。とてもいいなと思って、家に帰って早速息子とやってみたんですけど、アメリカのファブリックのような高価な生地を選ぶんですよね。あーって思うんですけど、ぐっとこらえました(笑)。2人でキルトに挑戦したこともあります。キルトのブックカバーを作ろうと思って、息子に好きな生地を選んでもらったら、すごく自由に遊んでいましたね。ボタンを付けたり、でたらめに止めたり、なみ縫いしたりするんですけど、それはそれでちょっとしたアートになっていて、形にするのはもったいないので額装して飾っています。今7才ですが、私がやっていると一緒にやりたがるので、4,5才のときから針を持たせてやらせています。指を刺すこともしょっちゅうなんですけど、意外と器用にやるので何でもやらせてみてよかったなって思います。子供って色づかいが独特で、大人にはない発想でものづくりをするので、面白いですね。


息子さんのために作った、リバーシブルのキャスケット。

―作品をつくる中で、何か影響を受けたものはありますか?

偶然にも同じ名前の、ヨシエさんという方の絵本です。最初は息子のために買ったんですけど、私が好きな布がいっぱい出てきて、あまりにもかわいいので私のものにしました(笑)。具体的なアイデアが出るというよりは、創作意欲がかき立てられます。とても自由な作風で、ものが飛び出してくるような勢いを感じて。私も自由に楽しく、思いのままにものを作ってもいいんだっていう気持ちになりますね。多分私の頭の中もこんな風になっていて、世界観が似ていると思うんです。開けるのももったいないくらい大切で、今のところアイデアに詰まったり、創作意欲がなくなることもないので、ずっと飾っているんです。

―秋に向けて作りたいものはありますか?

ブックカバーです。手に取っただけで秋を感じるようなチェック柄で、しおりの先に立体的なきのこをつけたいなと思っています。チェックや水玉の、ポップな感じのきのこが入っていてもかわいいですね。きのこは特にお気に入りのモチーフで、子供がよくズボンのヒザに穴をあけて帰ってくるので、きのこのアップリケをつけることが多いんです。きのこの絵を描いて型紙を作って、かさと内側と枝の部分の3つのパーツに分け、ジグザグミシンで縫うだけなんですが、すごくかわいいんです。色味を抑えてベージュを使ったり、いろんなチェック柄を合わせてチェックだらけにしたり。暖かみのあるほっとするような色づかいのものもいっぱい作りたいですね。


奥山さんが刺激を受けているという、絵本作家のヨシエさんの作品。
―今後やってみたいことは?

「おしゃれ工房」という番組を2年間勤めて、いろんな先生からたくさんの手芸の手法を教えていただいたのですが、特にビーズ刺繍と編み物をやってみたいですね。あと、私の大好きな布で遊ぶこと。お洋服にビーズ刺繍をしたり、編み物で縁取りしたり、やりたかったもの、作りたかったもの、教えていただいたものをミックスして好きなように作品を作ってみたいです。ミシン机を買って、ぱっとすぐに作れる環境になったので、ものづくりがより楽しくなりました。作りたいものがたくさんあるのに、作る時間がないのが現状ですね。布のストックも山のようにあるので、作り出したら止めどなく作ってしまいそうです。

―作品を展示されたりは?

いや、多分発表すると思ったら、作れなくなるんじゃないかと思います。絵を描くときも、日記をつけるように、楽しかったものや見て面白かったものを残しておきたくて描くことが多いんです。ものを作ることもそれに近いのかなと思っていて、きれいにきちんとやろうと思うと進まないんじゃないかと思います。肩に力を入れず、自分のできるところ、自分が楽しめる範囲で、これからも絵を描いたり、ものづくりをしていきたいですね。

―本当にものを作ることが好きなんですね。

好きですね。作りながらいろんなアイデアが浮かんで、頭の中で描いていたものができあがると、それだけでもう大満足。どんどん作って手放していく感じですね。作っている過程や、色や柄を合わせて考えている時間が、やっぱり一番楽しいんです。作りながら「これを早く完成させて、次のものを作りたい」って思います。特に子供のものは小さいから完成するのも早いし、何を着せてもかわいいんですよね。いまは最高のモデルがいるので、素直に着てくれているうちは、子供のものを中心に作りたいと思います。

(取材/赤木真弓)


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