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エキサイトブロガーハンドメイド作家特集 Vol.18

2008年10月31日01時01分

♯2 糸が織り成す美しいレースに手を加え、世界でひとつのメタルアクセサリーを生み出す―「SAFFRON and I」のSAFFRONさん


繊維のやさしい質感とシルバーの輝きがひとつになった、繊細なオリジナルアクセサリーを手がける、SAFFRONさんの登場です!

SAFFRONさん
服飾の専門学校を卒業後、インポートアクセサリーのアトリエで働く。退社後、彫金教室に通いながらオリジナルアクセサリーの製作販売を開始。専門学校でアクセサリー制作指導の講師を4年間務めた後、2007年より、『SAFFRON』(サフラン)としてのもの作りをスタート。レースをかたどったメタルアクセサリーを中心に展開中。HP「SAFFRON」も運営。

「SAFFRON and I」



アトリエの一角。「古いトルソーや額を飾り、そこに自分
の作ったアクセサリーを少しだけディスプレイ。時々模様
替えするようにしています」
――手作りをはじめたきっかけは?

幼い頃から、贈り物をすることが好きでした。
家族の誕生日に手作りのカードを贈って喜ばれたり、お友達にも手作りしたものをプレゼントしたり…。改めて考えると、それが私の“手作り”の原点だと思います。
身近にある素材を使って大切な人を喜ばせたいという思いで、手をかけて「贈り物」を作り続けてきたこと。これが『SAFFRON』としての“もの作り”へとつながりました。
子どもの頃も今も同じ気持ちで、心を込めて手を動かしています。

――得意な分野は?またその分野に興味をもったきっかけは?

やはりアクセサリー制作ですね。
専門学校に通うころ、さまざまな素材を使って、いろいろなものを作る中で「針金」という素材のおもしろさと出逢い、好んで使用するようになりました。
脇役としても主役としても自在に操ることができ、ペンチとニッパーの工具さえあれば場所を選ばず、作業ができる手軽さも魅力でした。
そのころ、細いワイヤーを使って、親指ほどの小さなクマやウサギをたくさん作り、友人達によくプレゼントしたものです。

また、子どもの頃から古いものや風変わりなものが好きでした。次第にアンティークの調度品や装飾品にも興味を持つようになり、時間があれば美術館やショップを見て回るようにもなりました。
時を経た上質なものだけが持つ深みに魅了され、ボタンやパーツなど、気に入ったものを少しずつ集めるようになって…。気がつけば、それらのアンティークパーツをワイヤーや糸でつなぎ、オリジナルのアクセサリーを作るようになっていました。
そして、月日とともにいくつもの出逢いを重ね、技術も素材も広がり、現在手がけているレースをかたどった、シルバーや10金のメタルアクセサリーにたどりついたのです。


(左)小さなコーナーにも、好きなものや気になる素材を飾って。「額の右側にかかっているやわらかなフリンジ付きのお花のチ
ョーカーは、以前開催したワークショップで作ったものです」
(中)細いワイヤーで作ったクマ。「学生の頃にたくさん作って、友達にプレゼントしました」
(右)フランス製の古い格子模様のモチーフから生まれた2種類の『cross(クロス)』。「クロスワードパズルを解くように導きださ
れた形なので、『puzzle necklace(パズルネックレス)』と名づけました」



フランスのアンティークレースを原型に使った新作、『pupil(瞳)』。
「連なるモチーフの一部を“目”に見立て、糸の風合いを活かしたネック
レスとリングに仕上げました」

――レースから生まれたアクセサリーの魅力&自分らしい作品作りのポイントは?

「SAFFRON」のアクセサリーは、何もないところから形を作っていくものとは違い、すでに完成された形に手を加えることで新しく生まれるアクセサリーです。
レースの模様をまねてシルバーや金のアクセサリーを作っていらっしゃる方もたくさんいますが、「SAFFRON」のアクセサリーは、本物のレースを原型に使用しています。と言っても、レースをシルバーでコーティングしているわけではなく、一般的にロストワックスと呼ばれる技法と同じ流れで、SAFFRONは既存のレースに丁寧にワックスを染み込ませて行き、原型を製作しています。

時を越え、国を越え、巡り逢えたアンティークレース。そのレースの繊細なシルエットややわらかな質感を大切にしながら、原型に加工し、メタルへと生まれ変わらせます。レースの持つ魅力を活かしつつ、新しい表情を引き出せるように。根気よく、とても慎重に敬意を持って作業します。
まるで、別の国の知らないだれかと共同作業をしているような…、過去と未来を繋げているような…、不思議な気持ちになりますね。緊張感のあるこの作業が私はとても好きなのです。

そんな、いくつかの“出逢い”から始まったもの作りであるという点が、自分らしさという気がしています。レース特有のやわらかくて甘いイメージとメタルのクールな輝き。懐かしさと新しさ。そのバランスをうまく表現できるように、また相対する魅力がひとつの輝きとなるように、心を込めて形にしています。

――他の分野で挑戦してみたいものは?

いつか、自分の手でレースのモチーフを作ってみたいですね。
今までたくさんのハンドメイドのアンティークレースに出逢ってきましたが、先人のすばらしい技術に感嘆するだけで、「自分の手でレースを作る」という発想にたどりつくことはなく、遠いものだと感じていました。
ところが今年に入り、たて続けにレースを作っていらっしゃる作家さんの作品を見る機会に恵まれました。ボビンレース、アイリッシュクロッシュレース、レース編み…。実際に現代の作家さんの作るすばらしいレースに触れたことで、「自分の手でレースを作ることは、決して不可能ではないかもしれない」と身近に感じるようになったのです。
もちろん簡単に身につく技ではないので、すぐに…とはいきませんが、いつか挑戦してみたいと思っています。
「自分で作ったレースをメタルに生まれ変わらせることができたら…」と思うと、想像しただけで心が踊りますね。

――これから作ろうとしているもの、また今後の展開を教えてください。

シルバーや10金のメタルの輝きだけではなく、もっと色を取り入れた作品も手がけていきたいと思っています。今手がけている「レース」をかたどったアクセサリーを軸に、これからは他の素材を使ったアクセサリーも展開していくつもりです。他の作家さんとのコラボレーション作品も作ってみたいですね。
アクセサリーを入れるためのレザーポーチも自分で作っているのですが、これが意外に好評なので…。もっと本格的にバッグやポーチも手がけてみたいですね。

また、11月2日から14日まで、大阪の雑貨店『カナリヤ』内のミニギャラリーにて、「SAFFRON」の新作発表のエキシビジョンを行います。それに向けて、現在新作の準備中ですが、これからも変わらぬ気持ちでもの作りを続けていくつもりです。
今後もより多くの方々と幸せを共有していきたいと思っています。





続いて、スペインならではのアート、スペインでタイル制作を楽しむmirasierraさんの登場です!

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