日常からひろがる創造 hironocさんのコラージュアイテム
2009年12月04日22時01分hironoc 中倉央乃さん/Hirono Nakakura
文化服装学院二部服装科卒業。在学中は劇団四季の衣装作りに携わる。2008年、hironoc(ヒロノック/hirono collageの略)を立ち上げ、コラージュ作品の制作を開始。2009年、スパイラル主催の「第10回SICF」に参加。その後、モリハナエオープンギャラリーで個展も開催。アイテムは現在、『豆千代モダン』(オンラインショップもあり)にて販売中。ホームページ:http://hironoc.web.fc2.com/
豆千代モダン:http://www.mamechiyo.jp/
「究極のめんどくさがりだと思います(笑)」
『豆千代モダン』で販売していた『デコペット』の一例。
今後ウェブで販売予定もあるとか。
もともとは文化服装学院の衣装部にいて、在学中はずっと劇団四季の衣装を作ったりしていたんです。卒業してからは、全く別の仕事に就いたんですが、趣味で平面の作品を作っていて。でも、作りすぎてイヤになってしまい(笑)、ちょっと休みたいなと思ったときに、平面作品よりも時間のかからない、シューズクリップとか立体ものの小物を作るようになって。そうしたら、だんだんこっちのほうが忙しくなってきて……。
―そうだったんですか! 「hironoc」を立ち上げたのはいつなのでしょう?
それが去年の2月くらいですね。実は思いつきでコンペに出してみようと思って、スパイラルで毎年GWに開催しているSICF(スパイラル・インディペンデント・クリエーターズ・フェスティバル)に作品を応募してみたんです。そのときは、全部いらないものを使って作る、“エコにコラージュ”というシリーズで。そうしたら、通ってしまって、そこからハギレとか、いらなくなったボタンを使って、150セットくらいシューズクリップを作りました。でも、さすがにきつかったので、もう二度とやりたくないなあって(笑)。
―お察しします(笑)。ところで、中倉さんがそもそもコラージュ制作にいきついたのは?
コラージュは一昨年くらいから始めました。絵は前から描いていたんですけど、美大を出たわけでもないし、自分がどのくらいの位置にいるのかなというのを知るために、パレットクラブスクールに通ったんです。そのときにコラージュの授業があって、講師の伊藤桂司さんに「君はコラージュをずっとやったほうがいい!」っていわれて。それで、なんとなくいいかもと思って(笑)。さらに同じ年の年末に、アートディレクターの森本千絵さんにお仕事をいただいて、小林武史さんのCDのノベルティをコラージュで作らせていただいて。それは平面の作品だったんですけど、50セット作りました。全部同じものだったんですが、すべて手作りなので、お正月にひとり、一心不乱で作ってました(笑)。
部屋に飾られた平面のコラージュ作品。ところどころに刺繍も施されている。
最初は『セットミニョン』さんで販売していたんですが、いま常に置いていただいているのは『豆千代モダン』さんです。あとは、『刺繍カフェ』を主宰している矢崎順子さんに誘っていただいて、展示会などで販売することもありますね。
―先日まで『豆千代モダン』でやっていらした『デコペット』もかわいいですね。自分が飼っているペットがおしゃれなアイテムのモチーフになるなんて、きっと飼い主さんは嬉しいですよね。
ありがとうございます。『デコペット』は、お店に直接来ていただける方限定で販売しました。ただ、地方の方からの問い合わせが多かったので、5月にウェブで販売しようか、という話にもなっています。
―それは楽しみですね。『デコペット』はどうやって作っているんですか?
お客さんに持ってきていただいたペットの写真やデータを使って作るんですが、コラージュした背景の絵を6パターンくらい並べて、その中からお客さまに好きなものを選んでいただいて、ペットの写真と組み合わせて合成しています。素材は布で、プリントして、シーチングしているんです。アイテムはブローチ、ストラップ、ネックレスなど、お客さまのご希望で選んでいただいてます。
―ところで、コラージュの楽しみというのは、どんなところですか?
作品を作るときに主に使っている縫い物セット。
―なるほど(笑)。中倉さんはどんなふうにコラージュを作っていくんですか?
私の場合、著作権が気になるので、外に写真を撮りに行ったり、あとは、昔行った旅行先の写真などを合わせたり、というところから始めます。そこから好きな色を組み合わせて合成していくんですが、そのままのかたちに切り抜くのではなくて、いらないかなと思うところは消していきながら、今日はこのくらいにしておこうかな、みたいな感じで、一応、次の日に見て、ちょっと違うかなと思ったら直すこともありますね。
―下描きなどはせずに作っていくんですね。
構成を描いたりはしないですね。絵を描くときにも下描きしなかったタイプなので、究極のめんどくさがりだと思います(笑)。