日常からひろがる創造　hironocさんのコラージュアイテム

2009年12月04日22時01分

「カワイイ」ものにすることよりも、作ること自体が楽しくなってしまう

―シューズクリップはいつから作っているんですか？

去年の2月からですね。これまでに300～400くらいは作ってると思いますね。

―すごい！ なぜシューズクリップを作ろうと思ったんですか？

靴が好きだったからなんですけど、でも実は、一回も自分でつけたことがないんですよ（笑）。冷え性で、あんまりパンプスやサンダルを履かないので、意外とつける機会がなくて。友だちに会ったときに、つけている子がいて「あ～、つけてるんだ！」って思いました。

―ヘッドドレスも定番のようですが。

作ってほしいと頼まれたのがきっかけですかね。シューズクリップは２つ揃いなので、左右が一緒じゃなくちゃ、というストレスみたいなものが、作るときにちょっとあるんですけど、ヘッドドレスは自由なので、こっちのほうが楽かな、というのもあり（笑）。でも、ヘッドドレスも自分ではつけたことないです（笑）。

―なにかインスピレーションを受けたり、ヒントにしているものはありますか？

たぶん、作品作りだけをやっていたらダメだと思うんですけど、手作りとは全く無縁の仕事についているので、例えば、その会社の接待で、「あのおじさんの話していたことが良かったな」と思ったり、全然関係ないことでも、「ああ、それおもしろいな」と思ったりするんですよね。話している人には失礼なんですけど、話しながら他のことを考えていたりして（笑）。美術館に行ったり、映画を観たりもしますけど、それは意外と気晴らし程度ですね。なので、楽しく生活しているうちに、自然とインスピレーションも受けているのかもしれませんね。

（左）これまで作ったシューズクリップがずらり。中にはキン肉マン消しゴムを飾りとして使ったユニークなものまで！ （右）以前一度だけ行ったことがあるというワークショップでは、ミラーをコラージュ。

―では、制作するときにこだわっている点は何ですか？

服飾専門でやってきたからか、どうしたら丈夫にできるかとか、デザインそのものよりも、そっちが気になってしまうんです。過去に出展した『ブックカバー展』でも縫製が気になって気になって……。あとは、一個どれくらいの時間で作れるかなとか、変なところが気になっちゃいますね。でもやっぱり、壊れないように、というのは一番気にしていますね。

―それは大事なことですよね。

はい。あとは、作っていて楽しくなっちゃうと、こういうのはやっぱり使えないなとか、ちょっとこれはデザイン的にはイヤかなと思っても、作っちゃうんですよね（笑）。同じように手作りしている人に聞いてみると、「カワイイ」かどうかを一番気にするっていうんですけど、私の場合、「カワイイ」ものにすることよりも、作ること自体が楽しくなってしまうことがありますね（笑）。

―でも作っていて楽しいのが一番ですよね（笑）！ ところで、5月に開催される日本ホビーショーの「デコーる・ワンダーランド」にも出展されますよね。どんな作品を？

Tシャツやクロックス、トートバックとか、ベーシックなものにデコレーションをしたものと、あとはこれまでのシューズクリップなどを出展する予定です。

―楽しみにしています！ では最後に、今後の抱負をお願いします。

楽しければ何でもいいというのはあるんですけど、仕事も好きなので続けつつ、手作りもできる限り、やりたいですね。


（取材／田辺香）