エキサイトブロガーハンドメイド作家特集 Vol.26
2009年12月08日05時01分第二十六弾も、ハンドメイドを愛してやまない素敵な作家兼ブロガーさんにご登場いただきます!
♯1 ナチュラルなシワ感と涼しげで着心地のよい上品な麻の洋服が魅力的!――「inaho handmade clothes」のinahoさん
洗うほどに肌ざわりの良さが増す、自然でやさしい風合いの麻をていねいに仕立てる、inahoさんの登場です!
夫と小学生の息子二人、愛猫1匹と暮らす。公立高校被服科卒業。洋裁技術検定2級、デザインクリエーター・通信課程終了。麻の魅力に惹かれ、手作りと子育てと、家族中心の穏やかな日々を送る。2008年、麻の服を中心としたハンドメイド作家として、委託販売をはじめる。主な委託先は「linen+room」、「Woody Drop」。
「inaho handmade clothes」
子どもたちの顔が見えるリビングの一角が、お気に入りの作業スペース。
――手作りをはじめたきっかけは?
母も祖母も手芸&洋裁が得意でしたから、私も小さい頃から自然と手を動かしていましたね。
初めて服を作ったのは小3の冬。かぎ針でベストを編みました。自分で編んだベストは格別で、パジャマの上から毎晩着ていましたね。今思うと、とても外には着て行けない“でき”だったのでしょう(笑)。それでも、服を作った達成感は大きくて、今でもうれしかったのを覚えています。
結婚して子どもが生まれ、少し時間に余裕ができてからはミシンの時間がぐんと増えて、麻の服を作るようになりました。自分で作った服はとても着心地が良く、麻の自然でやさしい風合いにどんどん惹かれていきましたね。
――得意な分野は?またその分野に興味をもったきっかけは?
得意な分野は、やはり服を作ることでしょうか。素材には、特にこだわって作りたいですね。特に麻は、上品で丈夫な素材ですから、長く着てもらいたいという思いがあって、ていねいな縫製を心がけています。
学生の頃、被服材料の授業で、先生が麻の魅力をよく語ってくれました。先生の麻のロングスカートがとても素敵で、強く印象に残っています。「私もいつか麻の服が着たい」と憧れを持ったのが、麻にこだわるようになったきっかけですね。
(左)「母から譲り受けた裁縫箱には、亡き祖母のボタンやニードルブックなどが入っています」。錆びたルレットは今も現役。 (中)清潔感のあるホワイトリネンのシャツ。ピンタックをポイントに。 (右)憧れの作家さんからいただいたレース。「また誰かのもとへ繋がっていきますように」と願いを込めたキャミソール。 |
「スカラップ仕上げの裾は、甘くなりすぎないところがお気に
入りの手仕事です」
手をかけて作ることで心が豊かになれる、という点がハンドメイドの魅力でしょうか。
特に家族や友人など、相手のことを思って作る過程は、とても心が満たされます。相手の好みやライフスタイルなどを思い描いていると、自然と手が動きますね。だから、自分らしいというよりは、相手に喜んでもらえるものを作りたいと思いますね。
最近は、shopに置いていただくことも増えてきて、そういう時は、オーナーさんをイメージして思いを巡らせながら作っています。
作品作りでは、「着心地がよくて上品で、“きちんと感”のある大人の麻の服」というのが、今私の目指しているイメージでしょうか。
麻の服は何度か洗っているうちに、目が詰まってきて肌ざわりも良くなり、だんだん生地が変化してくるんです。そこが麻の服のおもしろいところだと思います。麻ならではのナチュラルなシワ感もいいし、アイロン後のくったりとしなやかな感触は特に好きですね。自然素材のものを着ていると、体に馴染んで心までナチュラルでいられるような気がします。
ひとつひとつ心を込めて仕立てていますので、どの服もとても愛おしくて、どなたかに着てもらうときには“娘をお嫁に出す”気分です。既製の服がたくさんある中で、手作りの服を手に取っていただけるのが本当にうれしくて、「この感謝の気持ちを忘れないように…」といつも思っています。趣味の洋裁が、ライフワークへと私の中で進化していますね。
――他の分野で挑戦してみたいものは?
結婚するまで、精密機器のメンテナンスをしていたので、漠然とですが「昔の経験が活かせないかしら?」と、思う時があります。今のミシンは、20年近くずっと働いてくれているので、内部の細かいところまで磨いて整えてあげられたらいいな、と思いますね。ミシンのメンテナンスも自分でできたら理想的ですし、そういうことを学ぶチャンスがあれば、ぜひ挑戦してみたいです。
――これから作ろうとしているもの、また今後の展開を教えてください。
「inaho」という名前は、何十年もずっと米作りを続けている父への尊敬と感謝の気持ちでつけた名前なんです。ですから、この名前に恥じることのないように、“もの作り”に関わっていきたいですね。
私は家が大好きで、今ミシンに向かう時間がたっぷりあって、「おかえり~」と家族を迎えられることにとても幸せを感じます。これからもみんなの笑顔が見られるように、家族にも作品にもたっぷりの愛情を注いでいきたいです。
8月、9月と委託shopのイベントも盛りだくさんです。たくさんの方に足を運んでもらえるように、そして、お気に入りの服を見つけてもらえますように、頑張ります。
続いて、インテリアに溶け込むシンプルで機能的なソフトファ二シング作品を手がける、真理子サイモンさんの登場です!