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エキサイトブロガーハンドメイド作家特集 Vol.27

2009年12月09日02時01分

♯3 ヨーロッパのアンティークな香り漂う繊細な刺しゅうに、ひと針ひと針思いをこめて―「Le Journal de Lilis Sichou」の沙優さん


イタリア旅行で出会った職人たちの手仕事のように、時間をかけてていねいな刺しゅうを楽しむ、沙優さんの登場です!

沙優さん
外国語短大卒業後、都市銀行に勤める。結婚退職後、専業主婦となり、手芸や刺しゅうなどを習いはじめる。子育てをしながら刺しゅうの楽しさに目覚め、現在は雑貨屋で手刺しゅうのイニシャルハンカチのオーダー会を開いたり、自宅でひっそりと「小さな乙女刺しゅうの会」を主催している。

「Le Journal de Lilis Sichou」



作品作りや刺しゅうの会を開いているリビング。白くペイント
したデスクを置いて、お気に入りの雑貨を飾り、小さなアトリ
エコーナーに。
――手作りをはじめたきっかけは?

子どものころから絵や字を描くことは好きでしたが、お裁縫のほうは特に好きというわけではなかったです。ただ、絵を描く感覚と似ている刺しゅうは、とても楽しいなと思っていました。
小学生のころ母へのプレゼントに、小さなフェルト刺しゅうの袋を作って贈ったことがありました。
また、雑貨やアンティークが好きだったので、学生時代や独身時代にヨーロッパ各国のお屋敷や蚤の市、雑貨屋さんをいろいろ巡ったりしていました。その時に繊細なアンティークの手仕事作品に触れ、その素敵さにうっとり。「いつか自分でもこのような作品を作ってみたいな」…なんて思ったことも、手作り生活のきっかけになっていると思います。

結婚して専業主婦だったこともあり、出産を機に、インテリア小物や子どものための小物を、少しずつ手作りするようになりました。本やお店の雑貨を参考にして、クッションカバーやスタイ、ベビーシューズなど…。当時流行っていたテディベア作りにものめり込み、お教室にも通ったりして、わが子やお友だちへのプレゼントにたくさん作っていましたね。
そのうちランチョンマットやコースター、エプロンなどの暮らしの小物や子どもとお揃いの服やバッグなども作るようになり、今のように、手作りすることが日常の一部となりました。


――得意な分野は?またその分野に興味をもったきっかけは?

刺しゅうが一番好きですね。独身時代に訪ねたイタリアの伝統工芸品店で、お歳をめした職人さんたちが、テーブルクロスやナプキンなどに刺しゅうされている姿を垣間見て、あたたかいものを感じました。
アンティーク刺しゅうや伝統的に受け継がれている細やかな刺しゅうに特に心惹かれるんです。

暮らしの生活小物を作り慣れるにつれ、そこからもう一歩踏み込んで、イタリアで見た職人さんやお針子さんの生み出すような「繊細な刺しゅう作品を私も作りたい」と強く思うようになってきました。
自己流で市販のキットなどで作ったりしましたが、娘が通っていたカトリック幼稚園の修道女さんに初めて刺しゅうを習う機会に恵まれ、やはり本格的に作ってみたいという気持ちがふつふつとわきはじめて。
それから刺しゅう教室に通って、フランスの白糸刺しゅうを4年間習い、ハンカチやサンプラーなどいろいろなものを作るようになりました。刺しゅう展などにも出展させていただいたりしています。
子どもたちが寝静まってから、ひとり静かにチクチクと作品を作るひとときは、疲れや悩みを忘れ、本当に心が癒されるんです。時間を忘れるほど没頭することもしばしば。細かい作業が苦手だったはずの私が、ここまでのめりこむとは…、自分でも驚きです(笑)。



(左)集めているアンティークの手芸本や刺しゅう新聞。「作品作りの参考にしたり、眺めているだけでも幸せな気分になります」
(中)透け感のある薄紫色の麻布にドロンワークを。お気に入りの布が見つかれば、どんどん刺しゅうしたくなる日々。
(右)アンティークリネンに1本どりの刺しゅう糸で刺しゅうした繊細なハンカチ。プレゼント用ラッピングもアンティーク素材を利用。



縁かがりもすべて手刺しゅうのイニシャルハンカチ。
「不定期ですが、オーダー製作もしています」

――刺しゅうの魅力&自分らしい作品作りのポイントは?

細やかな手仕事に没頭している時間は、私にとって心安らぐ至福の時間です。ひと針ひと針時間をかけて、ていねいに作りあげていくところが刺しゅうの魅力ですね。時間はかかりますが、でき上がったときのしあわせ感と言ったら、もう、フフフ。この上ない喜びです。

刺しゅう…とひとくちに言ってもさまざまな技法やスタイルがありますよね。クロスステッチ、ハーダンガー、シュバルム、アジュール、ヒーダボー、プチポワン、リボン刺しゅう、スモッキング刺しゅう、それからフリー刺しゅうなど。日本刺しゅうやこぎん刺し、刺し子など和の刺しゅうも忘れてはなりませんね。

そんな中でも、私がもともと憧れていた、アンティークリネンにみられるヨーロッパの白糸刺しゅう、モノグラムやイニシャル刺しゅう、ドロンワークやカットワークなどをとり入れながら、ひとつのジャンルにこだわらない作品を作っていきたいです。
さまざまなジャンルの技法をミックスさせながらも、清楚で可憐な雰囲気やノスタルジックな優しい雰囲気がひとつひとつ漂うように心がけていきたいです。

――他の分野で挑戦してみたいものは?

今はリボン刺しゅう、お花、和菓子や陶芸、ヨガなども習っています。刺しゅうではないものから得る、ものの見方やインスピレーションなどを大切にして作品作りに生かしたいなと思って…。
それとは反対にすべてにおいて共通することや繋がっていることなどを気づくこともできますし。一番根底には、単純に“暮らしを楽しみたい!”という純粋な思いがあるのかな(笑)。
もちろん刺しゅうに関しても、もっともっと深めるための勉強もしたいです。手仕事とは別に身体を動かすスポーツをやってみたいという気持ちもありますね。

――これから作ろうとしているもの、また今後の展開を教えてください。

花が好きなので、花の刺しゅうをもっと楽しみたいなと思います。今習っているリボン刺しゅうも加えたりしながら、自分自身が“かわいい”と思うものを心をこめて作っていきたいですね。
来年から暮らしの拠点が変わるので、今後の展開はまだわかりませんが、これからも自分のペースで手作りを楽しめたらうれしいです。





今回のご紹介は以上になります。次回もお楽しみに!

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