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大図まことさんのユニークで楽しいクロスステッチ・デザイン

2009年12月10日06時01分
昆虫や動物、人間、食べ物、乗り物などなど、ありとあらゆるモチーフをかわいい図案として発表している、クロスステッチデザイナーの大図まことさん。その種類はもう数えきれないほど。ステッチ自体は小さいものが多いけれど、どれもとってもおしゃれで、存在感はピカイチ! そんなステッチに負けないくらい、ユニークで魅力的なキャラクターの大図さんを訪れ、クロスステッチの魅力や、製作にまつわることなど、さまざまなお話をうかがいました。

大図まこと/Makoto Oozu

クロスステッチデザイナー
大学卒業後、手芸店勤務を経て、クロスステッチデザイナーとなる。その大きな体から生み出される作品は、男性ならではのポップなデザインが魅力。女性のフィールドと思われていた手芸界に現れた話題のルーキーは、手芸の枠を越え、 カルチャー&アートシーンからも熱い注目を浴びる。著書に『ぼくのステッチ・ブック』『ホップ・ステッチ・ジャンプ!』(いずれも白夜書房)、『かわいいクロスステッチBOOK』(PHP研究所)、『ぼくのクロスステッチ500』(河出書房新社)がある。

大図まことのクロスステッチ図案 The mint house:http://www.theminthouse.com/

「刺繍だけに、糸がつながっているのかも(笑)」


8月に世田谷区の生活工房ギャラリーにて行われていた
『大図まことのクロスステッチ大図鑑!』の展示風景
―大図さんがクロスステッチをはじめたのはいつ頃なのでしょうか?

僕は今年31になるんですけど、22くらいのときからだから、8年くらい前ですかね。当時はアルバイトをしながら生活してたんですけど、「ものを作って食べていけたらカッコいいな」とは、ずっと思っていて。当時、手芸本の仕事をよくしていたカメラマンの友達から、編み物の本をもらったので、編み物をしたり、絵を描いたり、いろんなことをやっていたんです。それで、ちょうどブログがブームになった時期だったこともあって、僕も自分がクロスステッチで作ったものをブログで紹介したりしていて。そうこうしているうちに、手芸関係のイベントに誘われるようになったんですよ。

―そうだったのですか。でも、いろいろ作っていた中で、特にクロスステッチをやるようになったのはなぜだったのでしょうか?

技法が簡単でしたし、いろんな手芸を試してみたけど、周りからも一番評判がよかったのがクロスステッチだったんですよ。図案が自分の好きなファミコンに似ているな、というのもあったりして。今もクロスステッチだけにこだわっているわけではないんですけどね。見た目もかわいいし、やっぱり技法が簡単だったというのはありますね。

―ご自分で本を見て勉強されたんですか?

そうです。8年前くらいは特に、デザイン的にもかわいい本がいっぱいあったんですよ。

―最初に作ったモチーフは何だったか、覚えていますか?

そのとき、酒屋さんで働いていたので、サンタがお酒を運んでいる図柄をステッチしたんですよ。それをお店に勝手に飾ってました(笑)。作品はまだ残っていますよ。

―いきなり高度ですねぇ。ところで、仕事としてやっていこうと思うようになったのは?

イベントに誘われるようになった頃、ちょうど手芸の専門店『オカダヤ』で働けることになって。そのとき、僕の仕事は作家さんと関わることが多かったから、イベントを手伝ったりしていると、羨ましくなってきちゃって(笑)。だって、もともと自分で物を作るのが好きだったのに、仕事していると制作時間がとれないじゃないですか。だから、3年くらい経ったときに、会社を辞めることにしたんです。


新刊『ぼくのクロスステッチ500 はじめてでもかんたん! かわいい世界のワンポイントモチーフ』図案の一部。
“世界旅行”をテーマに、細部まで凝った数々のモチーフを考案。

―思いきりがいいですね!

見切り発車が多いんですけど(笑)、なんとなく30歳前だったら、失敗しても平気かなと思ったんですよ。あとはもう、それで食べていこうと思っていたので、他の仕事やバイトをするのは違うなというのもあって。辞めてから1ヶ月くらいひきこもって、目立つ作品を作ろうと思って、もともと好きだった昆虫の図案を100体くらい作ったんです。それをお店に置いてもらうために、恵比寿で自転車を借りて、昆虫の図案を全部背負って、アポなし営業をしてまわったんです。

―すごいですね。成果のほどは?

なんとなく恵比寿とか中目黒とか、お店がいっぱいあるんだろうなって思ってたんですけど、意外とないんですよ。ずいぶん非効率なことをやってましたね(笑)。それでも、置いてほしいなと思う雑貨屋さんとかに見てもらうと、数店舗は興味をもってくれて、置いてもらえるようになりました。で、そのときは嬉しかったんですけど、「これは仕事にはならない」と気づいて。時間がかかるわりに、委託で置いているから、売れるかどうかもわからないし。そんなとき、けっこう早い段階で1冊目の本を出すお話をもらえたんですよ。


大図さんの代表作でもある昆虫図案の一部。
―では、そこからは順調に?

いや、でもどうやって食べていたんだろうな(笑)。あ、自分で昆虫の図案集を刷って売ってましたね。それがけっこう売れていたのかな。完成品じゃなくて、図案集やキットですね。

―なるほど。それにしても、最初からちゃんと仕事、商売ということをかなり意識してやってらっしゃったんですね。

クロスステッチだからよかったのかもしれないです。他の作家さんもそうだと思うんですけど、作品だけで、しかも手で作る作品だけで食べていくって、大変だと思いますよ。僕はもうほとんど完成品は売っていなくて、例えば『OLEX!!』っていう、時計をモチーフにしたブレスレットは、僕のデザインをもとに今は工場で作ってもらってるんです。手で作った『OLEX!!』も、一部限られたところで売っていますけど、それは値段も高くしていますね。

あと、今はどうやったら、手伝ってもらってる人に作業に見合ったお金が払えるかと、自分もこれでちゃんと生計がたてられるかを考えて仕事してますね。でも、すごいのらりくらりしているから、みんなに不思議がられます。「大図くんは、どうやって生活してるんだろう」って(笑)。決まった仕事はないですし。でも、ヤバいなって思うと仕事がもらえたりして。刺繍だけに、糸がつながっているのかも(笑)。

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