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想像力がふくらむ紙袋の世界へ―姉妹創作ユニットtaki* corporation

2010年11月01日02時01分

“アート”ではなく、みんなが見て楽しいものを作りたい


2009 『紙片のシャンデリア』
―お二人の信頼関係がすごくいいですね。

由子 不思議と、次にやりたいことがぶつかることもないんです。始めの頃は、姉は展示をする上でたくさんの人に見てほしいから戦略を考えなくてはいけないと、アドバイスをくれたのですが、私はその頃は作るのが楽しいということで精いっぱいで、そういう部分での衝突はありましたが、表現に関してはありませんでした。一人で作るのは孤独な作業なので、率直な意見を言い合える姉がいるのは、ラッキーだなと思います。

―作品と由子さんを一緒に撮るというスタイルは、ずっと変わらないのでしょうか?

由子 前回初めてモデルさんを立ててやってみたのですが、新たな発見がありました。それまで自分が写ることが一つの芸風になっていたんだと気づいて。機会があればスタイリストさんなど一緒にしても面白いかなと思っています。

―作品づくりはどのような手順で行うのですか?

由子 柄を描いてパソコン上でデザインし、整理したものをプリンターで出力して、組み立てます。漠然と作りたいものは手帳に書きためています。展示をきっかけに作ることが多いのですが、空間を見たときに、次に作りたいものが頭の中にはっきりと浮かび、それに近づけるようにしています。でも色味や形の参考になる資料はすごく探します。ネットで探したたくさんの画像を、自分の中で整理して作っていきます。資料を集めているときの方が作っている感じがします。作ると決めてからは手を動かしているだけで、完全に作業になっていて。


紙袋「DANCER」。右は、店内装飾を手がけた、代官山のカフェ「drole(ドロール)」にて。


―水彩画のような雰囲気もあり、プリントしたようには見えないですね。

由子 なるべくぼかすように加工して出力しています。直接絵を描いてみたいのですが、どうしてもデザイン処理をしておかないと気が済まないんです。プリンターが古いので、紙ににじむとちょうどナチュラルな感じになります。質感のある紙にプリントすると、さらに味わいが増します。

―どのような紙を使っているのでしょうか?

由子 ノスタルジーな世界が好きで、和のような雰囲気に見えたいという思いがあったので、昔は色合いも渋めの和の質感のある紙を選んでいました。最近は少し色がビビッドになってきましたが、その延長で選んでいます。


紙袋づくりに欠かせない道具たち。
接着剤「カネダイン」は、大阪から取り寄せている。
―大滝さんの作品は、鳥のイメージがあります。

由子 姉と初めて一緒に制作するとき、鳥がすごく好きという訳ではなかったのですが、普遍的で人の心にすっと入ってくるようなシンボルになり得るものを作りたくて、「鳥かな?」と思ったんです。作ってみたら鳥はシンプルで、見たら鳥だとすぐに分かるしかわいいし、すごく合理的な形をしているんです。それで、鳥にはまって作っています。作品に動物が多いのは、自分の作るものをアートと言いたくないからなんです。学芸会的にみんなが見て楽しいなと思うものを作りたくて、動物や自然など、考えなくても分かるものにしています。

―紙袋といっても小さなものから大きくて立体的なものまで幅広くありますが、作るのはどのくらいの時間がかかるのですか?

由子 作り始めたら大きいものでも1日とか、組み立てにはあまり時間がかからないのですが、考えている時間が長いですね。マチの長さを原始的に糸で測ったりしているので、計算するのが大変です。時間がないときにはマチの部分の細かい切り込みは、ほぼ姉にやってもらっています。誰でもできるところがいいなと思っていて、小学生の子にワークショップをしたときも、みんな上手に完成しましたね。

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