手づくりマーケットで活気あふれる街づくりを―山背彩りの市
2008年11月01日12時01分#1 「トールは奥が深くて、どこまでやっても終わりがない感じがします」―堤郁子さん
トールペイント作家。日本手芸普及協会ペイント部門講師、JDPA(日本デコラティブペインティング協会)講師会員。1997年よりトールペイントを始め、2004年より林和子MDAに師事し、オイル、色彩学を学ぶ。2008年にはSDP(米国デコラティブ協会)会員に。作品はウェブショップ「Fancy Rose」にて販売中。
Fancy Rose:http://www.fancy-rose.com/
まるで絵本の1ページのような、クリスマスの作品。
ちょうど12年くらい前、子どもから手が離れたことをきっかけに始めました。その頃、トールペインティングが雑誌とかに時々載っていて、やってみたいなって思っていたんです。それで知人が通っていた教室に習いに行きました。そのあと、城陽市のコミュニティセンターで開講希望を出したら、担当の方が「だれか先生見つけてきたらやってあげるよ」とおっしゃってくださって、つてを頼って自分で先生を呼んできたんです。その市民講座に通って、続けてその先生のところに習いに行きたいと言ったら、「あなたみたいにやる気まんまんの人は、講師の資格が取れるようなところに習いに行った方がいい」と言われて、京都市内の講師養成講座に通い始めました。
―そこで専門的な技法を学ばれたんですね。もともと手づくりは好きだったんですか?
はい、好きでした。母がずっと手芸好きで、今もパッチワークをしてるんですけど、家には常にいろんな材料が置いてあったから、小さい頃はリカちゃん人形の洋服を作ったり、かぎ針の鎖編みは幼稚園のときからしていました。中学生になったらミシンを買ってもらって、当時はやっていたサーキュラースカートを自分で作ったりして、ひととおりいろんな手芸をやりましたね。
―トールペインティングの魅力ってなんでしょう?
なにもない木が、色を塗ることによってひとつの作品に変わる喜び、仕上がったときの感動は、何事にも代えがたいですね。12年間やってても飽きることがないです。
―12年間も飽きないなんて、すごいです! 描かれるモチーフは、どういうところからインスピレーションを受けるんですか?
季節のお花、春だと桜を見に行ったり、バラ園に行ったりとか、そういうのもありますけれど、おしゃれな雑貨やアンティークの小物を見て「あんなのいいな、ペンダントにしてみたいな」なんて考えることも多いですね。
(左)普段使用している筆。丸筆、平筆、ラインワーク用など、用途によって使い分ける。 (右)「山背彩りの市」で体験できるトールペインティング作品。お子さんにもおすすめ。 |
―現在はご自宅をはじめ、各所でトールペインティングの教室を開催されているそうですが、どのくらいの頻度で教えておられるんですか?
1ヶ月に12~13回です。それ以外に、自分自身の勉強にも通っているので、平日はほぼ「トール漬け」っていう感じで(笑)。今、アメリカの技術認定を受けているんです。一昨年にCDAという認定を取ったんですが、もう一段階上を挑戦中で。
―現在はどんな内容のものを習得されているんですか?
油絵を習っているんです。トール&デコラティブペイントという感じで定義されているんですけど、また全然技法が違うんですよ。アクリルのものよりも、もっと装飾的で、立体感や透明感が表現しやすいですね。トールは奥が深くて、どこまでやっても終わりがない感じがします。でもあと10年はがんばって勉強しようと思ってるんですよ。悩みはお休みがないところですが(笑)。
桜をあしらった作品。和の柄も素敵な雰囲気に。
アクセサリーやカバン、パッチワークのバッグやポーチを出す予定です。それから、トールペインティングが体験できるコーナーも設けようと思っています。
―楽しそうです! ところでトールペイントって、いろいろな素材に描けるんですね。
なんでも描けますよ。アクリル絵の具に専用の溶剤を混ぜて塗ると、洗濯しても大丈夫なように定着するので、Tシャツや傘などにも描けます。
―「山背彩りの市」に来られるお客さんに、どんなところを見てもらいたいですか?
トールペイントを幅広い方に認知していただけたらうれしいですね。木の素材だけじゃなくて、どんなものに描けるんだろう、と見てもらいたいです。
続いて、手作りの鉢に合わせた山野草アレンジを提案する、母娘作家さんをご紹介します。