本物みたいにおいしそう! Apricot Cafeのフェイクスイーツ&デコ
2008年11月02日03時01分Apricot Cafe 高澤あんずさん/Anzu Takazawa
スイーツデコ&フェイクスイーツ作家。子育ての傍ら、スイーツデコ、フェイクスイーツ作品を制作。2006年より「Apricot Cafe」を運営し、作品を制作・販売。ムック本、雑誌などに多数作品を提供しているほか、学校やカルチャースクールで講師としても活躍中。著書に『季節を楽しむ フェイクスイーツ&デコレシピ』(誠文堂新光社)がある。
ホームページ:http://xxapricotcafexx.web.fc2.com/
独学で“実験しながら”作ってきたフェイクスイーツ
定番のマカロン。色とりどりで、とってもかわいい!
「Apricot Cafe」を立ち上げたのが2006年です。次女が生まれ専業主婦になって半年ぐらい経ち、空いた時間に何かしようかな、と思ったのがきっかけでした。
―高澤さんは、小さいときからよく手作りをされていたのですか?
親がちょっとビーズをやっていたので、小学生くらいのときからビーズを教わって指輪を作ったりしていました。大人になってから、スワロフスキーのビーズアクセサリーやデコ電を作るようになって、その後、スイーツデコをはじめました。
―フェイクスイーツを作ろうと思ったのはなぜですか?
昔、ケーキ屋さんになりたかったので、粘土で作ったケーキ屋さんということで(笑)。あと、食品サンプルのアクセサリーを街で見たときに、自分でも作れそうだなと思ったんですよね。
―でも、何からはじめるのか、わからないことも多かったのでは?
そうですね。クリームの部分などは、食品サンプルの職人さんに何でできているのか聞いたりしました。あとは、ミニチュアフードが樹脂粘土などで作られていることがわかったので、粘土を素材に使うことにしました。
―独学ですごいですね。素材もご自身で発見していったのですか?
画材屋さんに行って「これ、いけるかな?」という感じで、使えそうかなと思うものは買って、実験しながら作っていきました。作り方は、カットしたり、お菓子の型に入れたり、本物のお菓子の作り方と似ているところもありますけどね。
―色もご自分でつけるんですよね?
はい。アクリルや水性の絵の具を粘土に混ぜ込んで色を作ります。例えば、ピンク色のマカロンは、皮とイチゴの部分に使っている絵の具は同じものなんですけど、絵の具の量によってだいぶ違ってきますね。透明のゼリーのようなものには、エポキシ樹脂というものを使っています。これはよく標本で、カブトムシなどの昆虫を閉じ込めるような素材なんですけど(笑)。
エポキシ樹脂を使った、ティンカーベルのモチーフのストラップ。
エポキシ樹脂にも色つくんだ、みたいな感じでしたね(笑)。でも主に使うのは粘土ですね。
―作るときは写真を見ながらですか?
そうですね。だいたいお菓子の本や実物を見ながら作ります。一回目は見たまま同じものを真似して作ってみて、そこから自分流にアレンジしていきます。
―作るにあたって、難しいのはどういうところですか?
難しいというか、あまりメジャーではない地方のお菓子を作っても、わかってもらえないところがあって、それがちょっと……。例えば、フランスの焼き菓子で、マドレーヌではない、地方の伝統のお菓子を作っても、「これなんだろう?」ってなっちゃって(笑)。茶色でごろんとした感じなので、確かに見た目的にも、あまりかわいくはないですけどね(笑)。
―カラフルなものは、やっぱりかわいいですもんね。作りながらどんどんアイテムを増やしていったのでしょうか?
はい。最初の頃はマカロンとホイップクリームばかりやっていましたけどね。今は数えきれないです。自分でもいくつ作ったのかわからないくらい作ってますね。
―平均、どれくらいの時間で作れるのでしょうか?
パーツを作っておけば組み立ては15分くらいでできるんですけど、乾燥する時間が一週間くらい必要になるんです。あとは、一気に作れるものもありますが、タルトなんかはまず、土台を作って乾燥させてからトッピングしなければいけないので、もうちょっと時間がかかりますね。
フェイクスイーツ作りに欠かせない、高澤さん愛用の軽量粘土と絵の具。 |