生活に「ファンタジー」を届けるものづくり―EBI
2009年12月06日03時01分EBI/エビ
デザイナーのSOZO(平松創三さん)とプレスのISSEY(中尾一政さん)によるデザインユニット。「あなたの生活にもっとファンタジーを!」をコンセプトに、2009年春から活動をスタート。鬼子母神や品川で行われている手創り市にも定期的に参加している。石鹸、キャンドル、アクセサリーを中心に制作しているアイテムは、オンラインショップのほか、20店舗ほどのセレクトショップでも販売されている。ホームページ:http://ebidesign.jp/
オンラインショップ:http://ebidesign.jp/?tid=6&mode=f1
香りとビジュアルは、伝えたいことを表現するための重要な要素
国や都市名がついた石鹸は「コールドプロセス」という製法で、
時間をかけて作られている。
もともと僕と中尾が高校時代の同級生なんです。それで、大学時代とか音信不通だった時代もあったんですけど、なんだかんだ連絡をとる機会があって「いつか一緒に何かやりたいよね」という話はしていました。
僕はテキスタイルデザイナーをしていたんですけど、ある時旅行から帰ってきて、こんなものがあったらいいなって、『EBI』の構想がひらめいたんです。そこから中尾に話をもちかけて、「一緒にやろうよ」ということに。
―高校のときからお二人で手作りをやっていたわけではなく?
一緒にではないのですが、二人とも美術系の予備校に入っていたので、ものづくりに親しみはありましたね。それから僕は一度、建築の勉強をして、中尾は美大でテキスタイルを勉強していました。
―そうだったのですね。いまは石鹸とキャンドル、アクセサリーを作ってらっしゃいますが、はじまりは何だったのですか?
石鹸が最初ですね。ある時、ふと「見た目も美しくて、香りもいいものがあったらいいなあ」と思ったんです。それを石鹸だったらうまく表現できるかもと思ったんですよね。パッケージから自分たちでデザインして、香りも自分たちのオリジナルで表現したら面白いものができるのでは、と。
―でも、初めて石鹸をつくるときは大変だったんじゃないですか?
そうですね。本当に試行錯誤の連続でした。まったく初めてだったので、石鹸の教科書を買って独学で勉強していました。
―石鹸のあと、キャンドルに?
3種類のキャンドル。「コレクティブル」の要素も考えて
作られた箱は、集めたくなるようなステキなデザイン!
「石鹸と同じ香りで、キャンドルがあったらほしい」という声をけっこういただいていたのと、あるショップさんからも具体的に「キャンドルを作ってほしい」といわれて、コラボというかたちで、作らせてもらったのがはじまりです。
―キャンドルは「ファンタジー」と「ファー」と「ココ」の3種類ありますが、どれもハーブがきいていて、とてもいい香りですね! アイテムを作るときのこだわりは何ですか?
「あなたの生活にもっとファンタジーを!」というのが『EBI』のコンセプトでもあるんですが、見たり、使ったりしたときに、夢を見られるような、ファンタジーを感じられるような商品であることを心がけています。そのうえで、香りとビジュアル(箱)は自分たちの伝えたいことを表現するためにすごく重要な要素だと思っているので、特にこだわって作っています。
―箱が全部手作りというのも、スゴイですね。
箱って、もっといろんなことを表現できるし、デザインをちょっと変えるだけでも、様々なことを伝えることのできる、面白いものだと思うんです。箱に香りが封じ込められているだけでも、また違う印象が伝わるんじゃないかって、僕たちは信じてやっていますし。やっぱり使った人にひとときでもファンタジーを感じていただけたら良いなあと思って、一個一個、気持ちを込めて作っています。
―箱の紙は一枚ずつプリントしているんですか?
そうなんです。手仕事感がありますね。ギフトとしても差し上げて喜ばれるようなもの、自分がもらって嬉しいと思うようなものを作っています。
―アクセサリーでは、蝶ネクタイを作ってらっしゃいますが、わりと珍しいですよね?
自分が好きなので、最初から蝶ネクタイは絶対に作りたいと思っていました。蝶ネクタイは生地で印象がものすごく変わるものなので、おもしろい生地を使って、オシャレなものが作れるのではないかと思いまして。
取材当日、平松さんもつけていて、とても似合っていた蝶ネクタイ。
―本当! 言われてみれば、着物ですね。
そうなんですよ。かすりっぽいのが好きで。着物の生地は、いろんな可能性がありますよね。
―こういった素材はどういうところで手に入れるのですか?
着物の生地を専門に扱っているお店などで、少しずつ気に入ったものを買い集めています。蝶ネクタイは男性だけでなく、女性にも使ってほしいんですよね。