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布から広がる、暮らしに寄り添った服づくり―ようさん工房

2009年10月31日07時01分
年に2回ファッションショーを開催し、コレクションを発表している洋服ブランド「youi」のデザイナー、“ようさん”こと百瀬陽子さん。コレクションのほか、ハギレを使ったぬいぐるみやアクセサリーなどの布小物、リメイクやオーダーメイドのウェディングドレスまで、幅広い作品のデザイン、パターン、縫製まですべて1人で行っています。その情熱はどこから生まれるのでしょう? ものづくりに対する思いをたっぷり伺いました。

ようさん工房 百瀬陽子さん/Yoko Momose

1978年長野県生まれ。美大でファッションを学んだ後、高円寺の仕立て屋で修行。現在は地元・長野県松本市で工房兼ショップを持ち、活動する。これまで松本市美術館にて過去3回ファッションショーを行ったほか、布小物の個展、グループ展などを多数開催。洋服は、松本のショップ「tonico」で購入可能。11月にファッションショーを開催予定。
工房兼ショップ:長野県松本市中央3-2-14 2階(限定オープン)

美容室でのファッションショーが服を作っていくきっかけに


2010年春に開催されたファッションショーより。テーマは「労働」。
―ようさんがものづくりを始めたきっかけは?

小さい頃から手を動かすことが好きで、最初はお菓子職人になりたかったんです。でも、4つ違いの姉の影響でファッション誌を読んだら、すごく素敵で衝撃を受けて。それから服を作りたいと思うようになりました。高校のときには手芸部を作って、私服の高校だったので、普段に着る服を作っていました。武蔵野美術大学のファッションコースに進んで、基本を学びましたね。

―その後、仕立屋さんで修行されたんですよね。

サンプル縫製をしている会社の中の、オーダーメイドのお店で2年ほど。個人向けのオーダーメイドの基本、量産まではいかない効率的な服の作り方の基礎は、そこで学びました。レディースのジャケットなどを作ることが多かったです。そのとき、社長から「メンズの服は服が自立しているから、鎧のように作る。レディースはどれだけ薄く作るか、縫い合わせるのも重なった部分を裏でどのように処理するのかが重要」ということを教わりましたね。女性の場合はラインがきれいなので、そのラインに布を乗せていくという感覚なのかなと思いました。

―1人で服を作るようになった経緯は?

2年でお店がなくなってしまって貧乏になったので(笑)、実家に帰りました。お直し屋さんでバイトをしながら、服を作りたかったので自己満足でもいいと思って、知り合いの美容室でファッションショーをさせてもらったんです。でもやってみたら、お客さんが服に対して喜びを感じてくれて、それからです。自分のしたことに対して、他人である女性たちが、こんなにも喜んで着てくれるんだ! と思って。今から5年くらい前のことですね。


2010年春のファッションショー「労働」は松本市美術館中庭で開催。右はそのDM。

―工房を作ったのもその頃だったのですか?

美容室でファッションショーを3回させてもらった後、フンデルト・ヴァッサーという建築家で芸術家の方の作品を見たとき、絵が建築になっているのが本当に素晴らしくて、自分でも場所を作りたいと思って、工房を作ることにしたんです。工房をオープンした1年目は大変でしたね。

―美容室や美術館、ファッションショーをする場所も面白いですね。

服を作りたい、ファッションショーをしたいということがベースにあるので、3年前から年に1回ファッションショーをしています。今年からは年に2回にして、1年ごとのテーマを決めています。どっしり落ち着いてもの作りをしたいという気持ちがあって、1年ごとのテーマなら前の年にリサーチもできる、ということで今年から始めました。


(左)松本市にある工房。ファッションショーの後、1ヶ月間限定でショップに。
(右)ものづくりに欠かせない大切な道具たち。


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