ハンドメイドレシピと手作り情報サイト

エキサイトブロガーハンドメイド作家特集 Vol.12

2008年12月01日08時01分

♯3 物語が生まれるような和紙人形の世界―「うつくしき日本」のjapanesque-dollさん

和紙の風合いとていねいな手仕事が日本のよさを伝える、japanesque-dollさんの登場です!

japanesque-dollさん
7年前から人形作りをはじめ、2004年から作家活動をスタート。ドール新人賞、宝鏡寺公募展、和紙の仕事大賞展、ユザワヤ・ニュークリエイティブ展等各種受賞多数。創作和紙人形教室「ジャパネスクドール」主宰。個展やイベントを展開しながら、国立山口徳地青少年自然の家にて和紙細工担当講師、NHK山口文化センター講師も勤める。HP「ジャパネスクドール・長沼隆代の創作和紙人形」も運営。

「うつくしき日本」



「自宅の出窓には、私の作った太夫達がくつろいでいます」
――手作りをはじめたきっかけは?

私は不器用なので、お裁縫は大の苦手。それでも子供のためにと袋物やフリフリのスカート、発表会のドレスなど、四苦八苦で作りましたよ。
和紙人形は、7年くらい前、趣味のサークルに誘われて何となくはじめました。お裁縫とは違い、切ったり貼ったりするだけなので私にはピッタリでした。
また、私はとても怖がりなのですが、和紙人形には何故か怖さがありません。これも私にはピッタリの要素だったように思われます。

ある日、ジャンルの違う人形展を観て、人形にはもっと色々な表現ができるんだということを知り、サークルを辞めてオリジナルの研究を開始しました。サークルで習ったのは1年半位でしょうか。今日があるのもサークルのお陰。丁寧に教えて頂いた事をとても感謝しています。
そして翌年の2004年、オリジナルの単独で立つ人形を考案・創作し、作家活動をはじめました。2006年には友人の助けもあり、地元、山口で初個展を開催し、教室も開くようになりました。
人形歴約7年。寝ても覚めても人形、人形の苦しくも楽しい日々を送っています。

――得意な分野は?またその分野に興味をもったきっかけは?

針金を芯にティッシュぺーパーで肉付けし、和紙を巻いて仕上げていくオーソドックスな作り方にオリジナルの技法をプラスして、和紙特有の風合いや美しさを活かし、風を感じる着物や動きのある立体の和紙人形の制作です。

使用する和紙は友禅和紙(京都で考案された柄で、着物と同じ)や地元山口県の徳地(とくぢ)和紙(徳地和紙には柄がありません)などを主に使用しています。
長い繊維が絡まりあった手すき和紙はとても丈夫で、直射日光にさらされなければ十年経っても人形はそのまま! 何の変化もありません。
古典的な着物や十二単などはオリジナルで制作しているため、一般のものとはかなり雰囲気が違います。
そして和紙人形には目鼻が付いていないものがほとんどですが、私の作品には目鼻があり、手の指・足の指もあったり……。他人の真似ではなく、自分で物語を考えながら場面を構成するのが自分流作品作りのコツです。

たとえば、作品「団らん」の時代考証は、ひと昔まえの大正時代。黒ブチまん丸眼鏡のお父さん。 日本髪の優しいお母さん。丸いちゃぶ台を囲んで、子供の数は5~6人。当時はザラでしたね。
メザシと沢庵だけでも楽しい我が家。大黒柱のお父さんのおかずだけはきれいに皿に盛り付けられ、一品多い(笑)。 当時「あ~ん」なんて事をしたらちゃぶ台をひっくり返されるかも。でもそこは、自分の空想世界。
夕飯が終わるとちゃぶ台をたたんで、狭い部屋に布団を敷いて川の字に…といった状況を次々と連想していくのが私の作風です。
私は若いので大正時代は知りませんが、要するに、空想と妄想の世界です(笑)。



(左)糊・ハサミ・ピンセットは三種の神器。「そばには常にコーヒーも…」
(中)「春らんまん」。踊る童たち。
(右)山口県ゆかりの若き5人の志士。「長州ファイブ」



2008年ユザワヤの銅賞受賞作品「団らん」。

――他の分野で挑戦してみたいものは?

人形の展示の時に使えるような日本画や習字。絵や習字は今も描きますが、絵ごころがないので下手なのです。もし、時間があれば本格的に挑戦してみたいと思っています。
他にも、ちぎり絵や切り絵、写真など…挙げればきりがありません。欲張りなのかしら。

――これから作ろうとしているもの、また今後の展開を教えてください。

山口県ゆかりの人物や鹿鳴館、源氏物語や源平ものがたり等のテーマに沿った時代作品を少しずつ仕上げてゆこうと思っています。
現在、山口と東京での展示が主なので、他の地域にも展示展開していきたいです。
それと教室の生徒さんの作品展を早くしたいです。

今後開催予定の展覧会は、「和紙のひなまつり展」(2009年1/16~3/23日、岐阜県・美濃和紙の里会館にて)、「ひな展」(2009年1/23~2/22日、周南市「ギャラリー三匹の猫」にて)を予定しています。





今回のご紹介は以上になります。次回もお楽しみに!

<< 1 2 3

エキサイトブロガー  , ハンドメイド  , お正月飾り  , 和紙人形,和紙工芸  , ニット小物  , 手編み  , カルトナージュ  , フェーヴ額装  , 皮小物  ,

最新情報をSNSでも配信中♪

twitter

このサイトに掲載された作品に関して、その作品の作者以外の方は写真やデザインを複製して販売したり、商用利用はしないでください。
個人の趣味の範囲でお楽しみいただくようお願いします。

Copyright © 2008-2024 Atelier, Inc. All Rights Reserved.