エキサイトブロガーハンドメイド作家特集　Vol.34

2010年12月08日04時01分

♯2 絵本の挿絵のような作品から、大人モチーフのシンプルな作品まで、幅広い消しゴムはんこ作品が魅力―「カエルのはんこ工房」のケロさん

Ｔシャツや布小物のワンポイントになるおしゃれな消しゴムはんこを手がける、ケロさんの登場です！



――手作りをはじめたきっかけは？

消しゴムはんこ作家のナンシー関さんのエッセイが大好きで、亡くなられた時に追悼の意を込めて自分でも彫ってみたんです。それが思った以上に楽しくて、それからもうずっとはまりっぱなしです。
それまでは、刺しゅうや羊毛フェルト細工などにも手を出したことはありますが、いつも途中で挫折することが多かったのです。でも、消しゴムはんこは自分に合っているのか、すっかり夢中になりましたね。

もちろん、完全に独学で、子ども用の彫刻刀で彫ったせいもあるのか、最初の作品はもうひどいものでした（笑）。線はガタガタだし、見栄えも悪い。もともと飽きっぽい性格でもあるので、今までだったらここで「もういいや…」となってしまうのですが、消しゴムはんこに限っては「どうしたらもっと上手に、きれいに彫れるか？」と夢中になって追求していました。
他の方のはんこブログなどで情報交換をしたり、道具も研究して揃えたりと、今までにないバイタリティーで（笑）。「やっと自分のやりたいことが見つかった！」とうれしかったのを覚えています。


――得意な分野は？またその分野に興味をもったきっかけは？

得意なのは、細かい図案です。とりあえずシャープペンシルで描ける線であればデザインカッターで彫ることが可能ですので、昔の銅版画の挿し絵などをトレーシングペーパーにうつして消しゴムに転写し、その後コツコツ彫っていくのが無上の喜びというか…。無の境地になれます。
もともと『不思議の国のアリス』などの銅版画の挿し絵が子どもの頃から好きだったので、それを「消しゴムでできないか」と思い、やってみたら思いのほか面白かった、というのが興味を持ったきっかけでしょうか。
ただ、消しゴムはんこの面白さは「彫ること」なのか、「押すこと」なのか？ それを考えると、ただ細かいものを彫るだけでは単なる自己満足なので、そのあたりは使い分けないとな～と思っています。

（左）今まで作りためた作品たち。持ち手をつけると保存しやすい。 （中）「ブログ名どおり、カエルが好きなのでカエルはんこも溜まっていきます」 （右）とあるカフェの雑貨市イベントに出した作品たち。「売れていくのはうれしいけど、ちょっとさみしい気分です」

――ケロさんにとってハンドメイドの魅力＆自分らしい作品作りのポイントは？

ハンドメイドの魅力は、自分で欲しいもの、今までにないものが自分で作れることだと思っています。
作品作りという点では、「ただかわいいだけの消しゴムはんこではつまらない！」といつも思っています。大人が使えるような渋いもの、シュールなもの、和風なもの…など。年配の方や男性の方にも使っていただけるものを心がけていますね。
そのためにはいつも資料を探したり、本を読んだり、いろいろ見る目を養って常に引き出しを多く持たないとな、と思います。

――他の分野で挑戦してみたいものは？

最初にも書きましたが、どうも私は熱しやすく冷めやすいようで、途中で挫折してしまうパターンが多く（笑）、中途半端にいろいろやると家の中が大変なことなってしまいそうで怖いです。
なので、今挑戦してみたいもの…というより、これまでちょっとかじったことを、「いかにはんこの世界を広げるのに役立つか」と考えていきたいと思っています。

――これから作ろうとしているもの、また今後の展開を教えてください。

ネットショップもやってみたいな、と思っているのですが、なかなか日常におわれて実現できずにいます。また、いろいろご注文をいただいたりしても、その時の忙しさなどによってお受けできたり、お断りしたりとムラがあるのも気になっています。ブログも何カ月も放置な時がありますし（笑）。なので、今後は、もう少し自分の生活に余裕を持てるようになって、コンスタントに作品を発表したり、受注などもきちんと形ができるようにしていきたいなと思っています。

あとは、昨年学研さんより出版された「大人モチーフの消しゴムはんこ」の本に作品を掲載していただいたことがとてもいい経験になりました。（関連記事）。
デザインから考えて、いろいろと試行錯誤をして締め切りの中でたくさんの作品を作るのは大変でしたが、できあがった時の解放感と達成感、雑誌が店頭に並んだ時の感動は素晴らしく、とてもうれしかったので、またそういう機会があればぜひチャレンジさせてもらいたいなと思っています。もちろん、依頼があればですが…。
これからも精いっぱい、自分の作りたいもの、自分が欲しいと思うものを作り続けていきたいと思います。





続いて、小さな小さなgreen雑貨＆アクセサリーがかわいいhanaさんの登場です。