エキサイトブロガーハンドメイド作家特集 Vol.10
2007年10月31日23時01分♯2 心に残る素敵なウェディングシーンを演出する―「花嫁の裏方」のartigana-gさん
ウェディングドレスの刺繍やブライダルアクセサリーを一点一点手作りするartigana-gさんの登場です!
文化服装学院を卒業後、アパレルメーカーに就職。しばらくデザイナーとして働いたある時、この仕事はもう十分だと思い至り、退社。その後、友人からブライダルのオーダーサロンを紹介され、そこで小物・アクセサリー・刺繍など手仕事全般の仕事を手がけるように。次第に取引先も増え、フリーデザイナーとして第一線で活躍中。
「花嫁の裏方」
いつも作業をしている裁断台。畳1畳の大きさ。
「学生時代から使っています。鏡を見ながら髪飾りなどを作ります」
私の家系には手芸を得意とする器用な人たちが多かったので、小さい頃から自然に針と糸を持つようになったのかもしれません。
小学校の低学年の頃、伯母のウェディングドレスのデザイン画(伯母の友人のデザイン)とその実物を見たときに、何か異常な憧れを感じて、自分でデザインした服を作れるようになりたい、と思いました。
高校生の時は知識もないのに、雑誌を見ながら製図をして自分の服を縫ったりしていました。そして専門的な知識を学ぶために東京の学校に行き、アパレルに就職するわけですが…。
アパレルでは、「常にモノがあふれて余っている状態」に疑問を持ちました。欲しい人に欲しい分だけ渡すのが真っ当なのではないか?と思うようになってしまって…。それで一点ずつ作るオーダーというシステムは、自分の正直な気持ちに合っていると感じたのです。
それと、会社を辞める前の3年間は、直営ショップのディスプレイを担当したのですが、その時に1点モノを作る喜びを知ってしまったというのが転機かと思います。
自分の可能性はもっと他にあるかもしれないとその時思ったのでした。
――得意な分野は?またその分野に興味をもったきっかけは?
得意な分野は、ブライダルのアクセサリー・刺繍の企画制作です。
ブライダルの仕事は、偶然紹介されただけで、それまでは特に憧れとか興味はなかったのですが、その頃、昔ながらのブライダル業界とは別の新興勢力のようなお店が次々とできていたので、何か新しいことをやれるのではないかという期待がありました。
ブライダルでは手仕事の技が重要なポイントにもなってくるのでやりがいがありますし、華やかさがありますね。
それまで量産の仕組みの中にいた私にはとても新鮮だったのです。お手本もなく試行錯誤の連続でしたので、それがまたおもしろかったというのもありますね。
(左)学生の頃から使っている直線縫いのみの足踏みミシン。「小物は結構ミシンを使って作ります」 (中)鶴のボンネと亀のボンネ。「どちらもリボンとビーズで出来ています」 (右)「お客様からのオーダーで、花婿花嫁の衣裳のミニチュアを作りました。 たまにドレスをミニチュアにして欲しいというご要望があります」 |
本の形のリングピロー。「予想以上に人気がありました」
――他の分野で挑戦してみたいものは?
ブライダルの仕事のほかに、生地のプリント図案の原画を描く仕事もしているのですが、これは筆と絵具を使って描くアナログな世界です。
絵具で紙に絵を描くのは私にとって快感なのですが、それとは別にコンピューターで図案を作るというのをやってみたいですね。(今はそういう図案家さんのほうが多いのかもしれません)
――これから作ろうとしているもの、また今後の展開を教えてください。
日々感じていることですが、モノを作れば作るほどレベルを落とせなくなっている自分がいます。
レベルを落とすのは簡単ですが、上げていくのは努力が要ります。努力する辛く楽しい気持ちで、自分にしかできないオリジナル商品を考えていきたいです。
ブライダル雑誌をぱらぱらとめくる時に、「この商品は!」と思われるような目立ちたがりの裏方でいたいです。
それと、ブログの中に"手芸部"というカテゴリを作っているのですが、従来の一般的な手芸のイメージから距離を置く、手芸の何かを作りたいです。グラフィック的なものとか、おかしなもの、セクシーなものとか、ユニークさの漂うものを、手芸のテクニックで丁寧に。
人の心に残る、大切にされるモノを作りたいです。
続いて、エレガント&ラブリーなクレイクラフトを楽しむPuchiRowaiyaruさんの登場です!