ハンドメイド作家特集 vol.53 「ちりめん戯縫」の森島民恵さん
2012年12月02日05時01分着物文化の魅力を生かしつつ、物語性のある自分らしい芸術的な作品作りを!
珍しい富士山の江戸ちりめんが入手でき、「日本一」というタイ
トルをつけた羽子板。
デジタルな世界がどんどん進化しても、人の手により作り出されるものに勝るものはないと確信しています。ハンドメイドはこの世ににひとつの自分だけのものを生み出すことができる、魅力的な世界だということ。そして、それは誰にでも可能性があるという魅力です。
押し絵はとても古く、年配の方の嗜むもの、というイメージを持たれている方が多い中、作品を見た方がとても新鮮なものとして感じていただけるような立体的で物語性のある作品を作るよう、いつも心がけて制作しています。
着物文化がこんなに素晴らしいということを踏まえつつ、年齢を問わず多くの方が興味を持ってくださるよう、古布を作品として甦らせたいと強く感じます。
――他の分野で挑戦してみたいものは?
金継ぎと鎌倉彫です。古い器も大好きなので、割れてしまったり欠けてしまった器に、金継ぎを施してみたいです。鎌倉彫の繊細な作品に憧れます。
木の持つ温か味が大好きなのでいつか両方に挑戦してみたいのですが、ふたつとも手が荒れたり切ったりする怖れのある手仕事なので、古裂を扱う今の自分には、なかなかトライできずにいます。
――これから作ろうとしているもの、今後の展開は?
今春から童話の世界を作品にしたり、和のカルトナージュに挑戦していきたいと思っています。古裂ちりめんは「和」のイメージが強いのですが、それを払拭するような作品作りをしたいです。
また、今年は作品展をアンティークショップやプロバンス風のギャラリーなどでも発表していきたいです。もちろん、いつもお世話になっているギャラリーでも展開していきます。
新しい教室も春から開講が決まり、今から緊張していますが、それこそがハンドメイドの魅力をお伝えする最高の方法だと感じています。
(左)動物を擬人化した作品が多い中、童女をテーマに制作。 (中)掌に乗ってしまう、ひとつひとつがとても小さな「ひいな膳」。 (右)洋のテイストばかりを制作し額装した、タイトル「アリスの兎」。 |