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エキサイトブロガーハンドメイド作家特集 Vol.17

2008年12月09日03時01分

♯3 パッチワークキルト&オフルームビーズの芸術的作品が魅力的!―「針仕事職人の気ままな仕事場」のk-cocoさん

ひと針ひと針思いをこめて…キュートな小物からおしゃれなアート作品まで、クオリティの高い針仕事をとことん楽しむ、k-cocoさんの登場です!

k-cocoさん
幼い頃から手仕事に魅せられ、10代からパッチワークを始める。10代後半にはグラフィックデザインの勉強もし、20代になって陶芸教室にも2年通う。独学で勉強していたパッチワークを自宅や友人宅、生涯学習ルーム(講師)で10年間教える。その後、市松人形の着物作りにも挑戦。2007年3月には、自由が丘美術館のギャラリーで「私の針仕事作品展」を開催。現在力を入れているビーズワーク歴は4年。針仕事職人として講習会を開いたり、作品展なども開催。もうひとつのブログ「NEEDLEBOX」も運営。

「針仕事職人の気ままな仕事場」



針仕事スペース。パッチワーク作品は場所をとるのでリ
ビングに広げながら、ビーズワークや小物作りはこの小
さなスペースがアトリエに。「クラシック家具のライテ
ィングビューローは我が家で25年も使い込んだもの。私
が一番落ち着く場所です」
――手作りをはじめたきっかけは?

気がついたら、かぎ針&針を持ってちくちくしていました(笑)。
母が自宅で編み物教室を開いていたこともあり、幼い頃から手仕事が大好きな少女でした。デザインや毛糸の色にこだわりをもっていた母は、自分で工夫を重ねて手染めもし、個性的でおしゃれな作品を作っていましたね。
身近にあった毛糸は自由に使えたので、私も小さい頃から人形の洋服や小物は自分で編んで遊んでいました。また、祖母からは古い着物の端切れなどをもらって、お手玉なども一緒に作ったり…。年齢がわかりますが(笑)、環境って大事ですね。

とても器用な母は、編み物だけでなく、ビーズ刺しゅうや縫い物…と何でもパーフェクトにこなすスーパーウーマン。私もそのDNAをちょこっと引き継いでいるのか、レース編みや刺しゅう、刺し子にパッチワーク…など、なんでも凝り出すとブレーキが効かなくなります。
刺し子にハマっていた時期は本格的な材料を仕入れに、飛騨高山まで行ったこともあり、周りが呆れるくらい、何かに夢中になると他のコトに目が向かないタイプです(笑)。そんな職人気質と「作りたい病」は今も続いていて…。手刺しゅうの繊細さと多彩な技法、刺し子の幾何学的美しさ、丁寧な手仕事で創られる作品に感動を覚え、創ることの奥深さに魅了されている針仕事職人です。

二人の娘には、布絵本や指人形を作ってあげたり、洋服も手作りしたり。娘たちからは「お母さんの手は魔法の手だね」と言われていたんですよ。もう、涙が出るくらいうれしい言葉に感激でした。自由気ままにとことん趣味に没頭してこられたのも、家族の理解があってのこと。本当に感謝しています!

――得意な分野は?またその分野に興味をもったきっかけは?

最近はビーズワークが中心の生活になっていますが、やはり10代の頃から独学で勉強してきたパッチワークが得意な分野でしょうか。
興味を持ったきっかけは、1972年に創刊された雑誌「私の部屋」です。この本でパッチワークキルトの歴史や基礎を学び、現在に至っています。市松人形の着物の仕立て方もこの本の特集で縫い方を覚え、何度も縫い直ししながら完成したときは本当にうれしかったですね。
「憧れの世界」を演出してくれる素敵な雑貨や道具類、手仕事に関する情報も多く、それ以外にも、大橋歩さんや内藤ルネさんの連載ページ、「伝えたい日本の美しいもの」、生活スタイルなど、すごく影響を受けました。

手で作り上げた味わい深いキルトには、手仕事ならではのぬくもりがあります。小さな布を一枚一枚はぎ合わせて縫っていくパッチワークは、同じパターンでも布の組み合わせでさまざまなバリエーションを楽しむことができます。大きな作品が完成すると達成感がありますが、バック類など小物も大好きです。もう、これまでにいくつ作ったかわかりませんね(笑)。作る楽しさと使う楽しさが両方味わえて、頭の体操にもなりますしね。

最近私がいちばん夢中になっているのは、オフルームステッチを取り入れたビーズワークです。オフルームとは、針と糸を使ってビーズを編む手法(ステッチはその際にできる編み目)のことですが、そんなオフルームステッチを知ったのは、本屋さんの手芸コーナーで見つけた「ロイアルビーズワーク」という一冊の本からでした。
この本に掲載されていた作品やビーズワークの歴史に衝撃を受けて、すぐに勉強を始めました。それまではビーズクセサリーにまったく興味がなかったので、出会いってホント不思議だなと思います。歴史も古く、奥がとても深いので、まだまだ探求心は衰えそうにもありません。



(左)ターコイズのルースをメインに、ヴィンテージのスワロフスキーやパーツに珊瑚などを使い、デザイン・フリンジにもこだわ
って製作。「針職人お気に入りの作品です」
(中)約3億7000万年前のゴニアタイト型アンモナイトと天然石、オフルームステッチの手法も数種類使用。「職人らしいかなり
凝った作品になりました。オリーブグリーンのシードビーズは化石との相性がとてもいいのです」
(右)ブラウン系の布地を集めて製作したパッチワーク作品はグラデーションがポイント。「約2000万年前の木の化石、珪化木や
アゲイトに水晶が入った化石シリーズのビーズワーク作品ともよくマッチします」



ホワイトシリーズは清楚でエレガントな雰囲気に。「淡水パールや
トゥルーカットビーズが上品さを醸し出してくれています。薔薇模
様の象牙はブローチだったものをネックレスにリメイク」

――オフルームビーズワークの魅力&自分らしい作品づくりのポイントは?

オフルームの魅力は、繊細なデザインをいろいろなステッチの手法で思いのままに形にできることでしょうか。
針仕事職人の私にとっては、針と糸でステッチしていくことも大きな魅力です。
天然石はそれだけで自然の美しさと深い輝きがあります。その石のもつ美しさが際だつように、色彩や色づかいに最も神経を費やしながら、デザインを考えるようにしています。
キュートなものからおしゃれでエレガントなものまで、洋服にしっくり馴染みながら存在感のあるアクセサリー。センスがキラリと光る上質の作品になれば最高ですね。ちょっと欲張りですが(笑)。
キルトやビーズワーク以外の作品も、いろいろな素材を組み合わせて楽しんだり、自分らしいアイデアやデザインを盛り込んでいます。自由な発想で手仕事を楽しむ、職人流「ものづくりの心」を大事に…。

針仕事は喜びであり、私の心そのものです。小さな銀色の針から素敵なものが生まれ、アイデアが「形」になる瞬間を日々楽しめることができて、幸せですね。

――他の分野で挑戦してみたいものは?

もうたくさんありすぎて困ってしまいますが…(笑)。もし、夢を叶えてくれるプロジェクトがあるとしたら、究極の刺繍作家「ハイジ・ジェンキンス」さんが刺繍の基礎を学んだという、イギリスの「ロンドン・カレッジ・オブ・ファッション」に通ってみたいです。これは挑戦というより、「夢」のひとつですね。
あとは、昔の職人が技術と情熱を注いでひとつひとつ丁寧に作ったものを、勉強できるチャンスがあれば、何にでも挑戦したいと思っています。カメラにも興味があるので、一眼レフを手に入れたらしっかりレッスンに通って、写真の腕とセンスも磨きたいですね。

――これから作ろうとしているもの、また今後の展開を教えてください。

そうですね、異素材との組み合わせで独創的な作品。例えば、流木にビーズクロシェの技法とオフルームステッチで制作した作品を合わせた斬新なデザインのアクセサリーなどでしょうか。
そして、市松人形の着物作りは老後の楽しみにしています。

また、エキサイトブログが縁で知り合った方々と三人で12月に予定している作品展があります。陶芸家のmakikoさん(美しき器たちへ)、イラストレーターのyokoさん(1F ちょの部屋)と一緒に。このときには三人のコラボ作品も展示する予定です。更なる扉が開いてくれるような予感もして、今からすごく楽しみなんですよ。ブログを通して多くの人と出会い、世界が広がりました。
この場をお借りして…、「出会いを作ってくれたエキサイトブログ」に感謝です!





今回のご紹介は以上になります。次回もお楽しみに!

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