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手づくり文房具で実現する自分らしい暮らし ― 宇田川一美さん

2008年10月31日08時01分
著書『手づくり文房具』をはじめとしたシリーズで、アイデア満載の手づくりレシピの数々を披露している宇田川一美さん。封筒、コーヒーフィルター、クリップ、テープなどなど、ふだんの生活で何気なく使っているものたちが、宇田川さんの手にかかると、さらに使い勝手のいい、かわいくてオシャレなアイテムに大変身してしまうから驚き! 誰もが手軽に作れて、使えるものを生み出し続けている宇田川さんのご自宅兼アトリエにおじゃまし、手づくりにまつわる楽しいお話をたっぷりとうかがいました。

宇田川一美さん/Kazumi Udagawa

雑貨デザイナー、イラストレーター。1970年、東京生まれ。武蔵野美術大学視覚伝達デザイン学科卒業。雑貨メーカー勤務を経て、2000年に独立。雑貨メーカー、アパレルメーカーの商品企画に関わるデザインやイラストを多数手がけている。著書に『手づくり文房具』、『気持ちを伝える手づくり文房具』(池田書店)、『封筒でつくる手づくり文房具』(東京地図出版)がある。
ホームページ:http://www.udagawa-file.com/

「世の中に売っているものが自分にしっくりこないと作る」


色や模様合わせがポイントの、封筒でつくったバッグ型封筒。
『封筒でつくる手づくり文房具』でレシピが紹介されている。
―宇田川さんの本業はデザインやイラストですよね。

はい。今はフリーランスでデザインの仕事をしたり、イラストを描いたりしてるんですが、以前はメーカーで雑貨の企画をしていました。その会社ではレターセットやシールなど紙製品のデザインや、クリスマスやバレンタインのときに売るラッピングアイテムを考えたり。カレンダーやノートなど基本的には量産品を作っていたので、それまでは手づくりというより、試作品作りをしてましたね。

―では、手づくりを始めたきっかけは?

もともと個人的に使っていたものをカスタマイズしてたんですよ。例えば、手帖の中のページにコーヒーフィルターを貼り付けてポケットにしたり、ページが足りなくなったらホチキスで小さい本をつくってブック・イン・ブックにしたり、自分の使いやすいように作って使ってたんです。そういうのを見て、知り合いのデザイナーさんが「おもしろいからまとめてみない?」って声をかけてくださって、2008年に『手づくり文房具』を出版しました。

―なるほど。それからたくさんのアイテムをつくるようになったんですね。

1冊目が好評だったので、手づくり文房具のシリーズとして2、3冊目も出したんですが、そのうち雑誌の企画などで手づくり工作の仕事もいただくようになってきて。ずっと企画の仕事をやっていたのでアイデアを考えるのは好きなんですよね。あと、売ってる雑貨を見ると、「自分で作れないかな~」と思って、仕様を確認するんですよ。たいていは作れるなと思っちゃいます(笑)。

―そうなんですか(笑)。作るもののアイデアはいつ浮かぶのでしょう?

どこかに基本はあって、それに今、自分が必要な作業をするには、もっとこうだったらいいのに、というのをプラスして作ります。世の中に売っているものが自分にしっくりこないと作るんですよね。売っているものを買っちゃうと、それにあわせた自分になってしまうから。窮屈だけど使っているうちに慣れていくのもどうなんだろう? とか、なんとなく問題意識を持ちながら企業で企画をしていたので。といっても、だいたい自分が使いやすいだろうと思うものを作ると売れないんですよね(笑)。ノートはやっぱりA4、B5などが売れますし、売っている物には流通上の定形もありますしね。でも実際、本当に使いやすいものは個人で違うかもしれないし、「ここにポケットがあったらいいのに」とか、「ここに洗濯ばさみをつけたら、いろいろはさめていいのに」とか。手づくりすれば、仕事や自分の作業に合う、それぞれの文房具ができるのでは、と思うんですよ。


(左)封筒をはじめ、ハトメ、ハトメパンチ、スタンプや平ゴムなど、お気に入りで使っている素材や道具。
(右)キャンディやガムの包み紙から、お箸の入れ物、タグ、説明書まで、宇田川さんが集めた「かわいいものファイル」。
手づくりの際、素材として利用することもしばしば。

―素材も工夫されていますよね。

基本的に家にあるもので作りたいなと思ってるんです。やっぱりお金をかけないで、ものを増やさないで、生活を楽しみたいという時代の気分だと思うんです。だから私がやっているのも同じことなのかな、と。

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