毎日の生活になじむ、西山眞砂子さんのパッチワーク作品

2009年12月05日06時01分

普段の暮らしに寄り添うような手仕事を

―作っていらっしゃる作品の特徴は、どんなところでしょうか？

まず、「毎日の生活」の中で使う、身近なものが多いですね。コースターとか鍋つかみとかティーマット、バッグや手帳カバーとか。毎日使う布小物にほんの少しパッチワークの要素を加えて、作品に仕上げています。「普段の暮らしにすんなりなじんでほしい」という気持ちから、過度なパターンも減り、自然にナチュラルな色味になっていったのかも知れません。

教室の生徒さんの中にも、レッスンで作って、完成したら「使うのがもったいなくて……」と、飾ったり、大切にしまっておくという方も実は結構多いんです（笑）。でも、本当に生活の中で身近に楽しんでほしいですし、心おきなく使ってほしいので、実用性のあるものが多いですね。ほんの少しでも、手作りのぬくもりがある暮らしって、人を豊かな気持ちにさせてくれると思うんです。

―ご自宅がアトリエも兼ねているとのことですが、作品づくりはいつ、どこでされていますか？

我が家は今、３人と猫１匹がいます。作品づくりは、家事を済ませたあとの昼間や晩御飯の片づけが終わったあと、リビング＆ダイニングのテーブルで針を持つのがほぼ日課のようになっています。そばでは、主人や息子がテレビを見ていたり、本を読んでいたり、猫がゴロゴロしていたり……。家族と過ごす時間の中で、日常を感じながら作品を作っています。私の作品は、そういう普段の暮らしに寄り添うような手仕事だと思っています。

―ご自宅のダイニングテーブルや食器棚は、時代を経た味わい深さが出ていますね。

古いものが好きなんです。昔から大切に使われてきた道具には、物語を感じる気がします。私の作品も、そんな風に使ってもらえたらうれしいですね。もちろん、教室やワークショップで習って、作ってくださる生徒さんにもそう感じてもらえたら……。

（左）リビング兼アトリエとなっているお部屋の真ん中には、イギリスのアンティークテーブルが。 （右）キルトの上で心地よさそうにしているのは、愛猫のきなこちゃん。

―教室は、どのような形で開催されていますか？

自宅では、予約制の教室を。また、西宮阪急の中にある「＆フラワー」、京都･山崎の雑貨ショップ「レリッシュ」や、NHK文化教室でのワークショップは定期的に開催しています。「＆フラワー」は、リバティプリントを数多く扱うファブリックのショップで、私もリバティ生地を使った作品を提案しています。そのほか、不定期に雑貨ショップやカフェなどでのワークショップも開催しています。お茶やお菓子をいただくティータイムも付いていたりして、楽しいお針仕事のひとときを過ごせます。すべて手縫いで仕上げられる簡単なものばかりなので、「ソーイングが苦手」という人にもおすすめですよ。

（取材／いなだみほ）