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物語が浮かんでくるような切り絵の世界―こいけひろみさん

2008年12月05日14時01分

「作品を作るときも、無意識にお話を考えて描いている気がします」


「手習いパンダ」に掲載された切り絵カード「夏」。
―使う道具にこだわりはありますか?

いえ、はさみ1本で作っています。作業が長時間になると、大きいはさみは手に負担が大きいので、小さめで軽めのものを使っています。といっても、高価なはさみとかではなくて、普通のものです。私は左手で切るんですが、使っているのは普通の右利き用はさみです。むしろ使い古してあまり鋭くなくなった、安価なものがいちばん使いやすいような……。そんなに道具に凝るほうではないので。同じはさみで細かいところから大きいところまで切っています。

―こいけさんの作品は、1枚の絵から物語が浮かんでくる感じがしますね。作品を作るときに、アイデアのもとになるものは何ですか?

絵本はやっぱり好きですね。「関西じゃらん」での絵本の紹介コーナーのお仕事が、紹介されている本を1枚の絵として表現するというものだったので、たぶんそれが原点になっています。作品を作るときも、無意識にお話を考えて描いている気がします。

―今回の「手習いパンダ」に掲載されている作品は、どのようなイメージで作られたんですか?

最初いろいろシチュエーションを考えたんですけど、パンダという生き物は生活している空間が限定されていて、写真集など見ても、動物園や飼育センター、あるいは林の中が多いみたい……。「それ以外でどういうところにいたら合うかな?」というのを考えて、普通はいないところに置いてみようというところから始めました。そして「初々しいカップルみたいなパンダもおもしろいかな?」と思って、2匹の出会いをイメージして、四季の風景の中にいるパンダの切り絵カードを作りました。


贈りものに添えたい、飾っておくことのできるジオラマカード。
―パンダの様子がほのぼのかわいくておもしろいですね。ジオラマカードはどんなイメージで作られたんですか?

こっちは、カードをもらったあとに、送ってくれた人の気持ちとともに机の上に飾れるものがいいかな? というところから考え始めました。封筒がそのまま折り畳んで箱になるタイプで、そんなに難しい構造ではないんです。

―「手習いパンダ」を通じて、こいけさんの作品になにか変化はありましたか?

パンダの作品はそれまでに一度も作ったことがなく、私の中にはないテーマでした。それがお話をいただいてから、写真集を見たり映画を見たりして、パンダのかわいさを知りました。いつもそうなんですが、自分の頭にないテーマを与えられることで、世界がひとつ広がります。はじめは悪戦苦闘、試行錯誤しますが、そのうちなんというか自分自身がだんだんハマっていって楽しくなってきます。そういう制作過程がすごく好きですし、そのような機会を与えていただけて本当にありがたいと思います。普段も身内や友人などからのリクエストも、なるべく作るようにしています。

―こいけさんが今後、挑戦してみたいことや目標はありますか?

基本的には今までと同じように、あまり背のびはせず、けれどその時その時の自分にできる最大限で制作していきたいと思います。そしてそんなふうに、ずっと一生やり続けたいなあと思っています。あとは、絵本を作ってみたいです。普段1枚の作品が多いので、何枚もの絵で構成してひとつの作品になるということに興味があります。とても難しいと思いますが……。そして壁面いっぱいの大きい作品も作ってみたい。毎日少しずつ切り貼りして作り上げるのも面白いかなと思います。

(取材/アトリエ編集部)


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